研究課題/領域番号 |
18K09483
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山田 潔 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10319965)
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研究分担者 |
品岡 玲 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90724500)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インドシアニングリーン / リンパ輸送能 / ICG蛍光リンパ管造影 / リンパ浮腫 / 機能評価 |
研究実績の概要 |
【2018年度】 本年の研究内容【リンパ輸送能の定量的評価方法の確立】 本研究に使用するタンパク結合型ICG蛍光トレーサーの最適な組成と測定のタイミングを中心とした方法論を検討した。血清と混和させるICGの濃度と蛍光強度の関係は、ICGが低濃度領域ではリニアな相関であるが、濃度が高くなってくると飽和してタンパクと結合しない余剰なICGが多く存在してくる。余剰なICGが存在せず、かつ適度な蛍光強度を持つ最適な混合比率を検討したところ、ICG濃度が0.007mg/dlを超えてくると蛍光強度がプラトーに達してくるため、ICGが飽和している(=余剰なICGが存在してくる)状態と考えられた。ICG濃度が0.007mg/dl以下であればこのトレーサーを体内に投与した場合に周辺のタンパク質と結合することなく、スムーズにクリアランスの測定が可能になると考えられる。 最適なICG濃度を決定したのち、健常ボランティアから採取した血清に上記で求めた濃度のICGを混合し、足背の皮内複数個所に注入した。直後より、近赤外線観察カメラを内蔵した蛍光ROI測定装置(Black Box, 浜松ホトニクス)により蛍光強度の測定を開始。蛍光強度が減衰する変化率⊿をICGクリアランス(=リンパ輸送能)として定量化し、基本となる評価方法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タンパク結合型ICG蛍光トレーサーの最適な組成と測定のタイミングを求めるためには、相応の被験者数が必要となるが、本研究では血清の採取と、トレーサーの皮内注入という2回の侵襲を伴った行為が必要となる。研究内容のインフォームドコンセントを行い同意が得られた健常ボランティア数はn=2であり、より多くの被験者数が必要と考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間は残り2年の予定で、2019年度は健常ボランティアを対象としてタンパク結合型ICG蛍光トレーサーの最適な組成と測定のタイミングを求めながら、健常人におけるリンパ輸送能の定量を行う予定である。また、2020年度はリンパ流が障害された患者(リンパ浮腫患者)を対象として本研究を行い、リンパ輸送能の定量を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
設備備品費・旅費が見積もりよりも実費の方が若干安くなったためと、その他の経費がH30年度においてはあまり必要でなかったため、次年度使用額が発生した。この差額については、2019年度におけるICG試薬やシリンジ等の備品代として使用予定である。
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