研究課題
in vivo TECで「より効率的にadipose flapを再生するための至適条件」を検証した。1)移植血管束(脂肪を可及的に除去)モデルと血管束に脂肪を付着した adipose tissue attached 血管束とに実験群を分け、それぞれの再生脂肪組織量を比較した。結果)血管束に脂肪を付着した実験群で優位に大きな再生脂肪組織 が得られた。この結果から、血管束を採取する際に、周囲組織(脂肪)をできるだけ付着させた方が、より大きな脂肪組織の再生が得られ、再建に有用であることが示された。2)血管束として用いる血管のポテンシャルの違いによって、再生組織量が異なるかの比較実験を行った。Vascular sourceとして、浅下腹壁動静脈と副伏在動静脈(既存データ有)を用いた実験を行った。結果)血流量の多い血管(副伏在動脈)の方が、優位に脂肪組織再生量が多いことが示された。この結果から、必要な再生組織の量(大きさ)に応じて、血管束を選択する必要があることが明らかになった。3)埋入chamberの周囲脂肪組織を除去 したモデル(乳癌における乳腺全摘出に相当)における脂肪再生は、脂肪再生が殆ど見られず、周囲脂肪組織の温存が脂肪再生に有用であることが示された。追加実験として、脂肪組織部分的に除去したモデル(乳癌の温存手術に相当)も検討した。脂肪再生は見られるが、温存群と比較して低形成であった。この結果から、乳房全摘出部位での脂肪組織再生は難しく、他部位で脂肪組織を再生後に移植再建する必要があることが判明した。乳房温存手術(部分摘出)後には、同部位で脂肪再生することが可能であることが示された。
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Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery
巻: 73 ページ: 1889-1896
10.1016/j.bjps.2020.05.016