現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.まず正常人角化細胞を用いた単層培養細胞に対し、マイクロピペット先端(100u用)を用いて、物理的創傷を作成した。その後、皮膚科領域細菌群(e.g., Group B, Streptococcus, Group A streptococcus, S aureus, MRSA, poly(I:C))を作用させて創傷治癒遅延モデルを作成した。細菌群では創傷治癒遅延がみられたが、細菌の増殖によりその後の刺激実験モデルとしては表皮ブドウ球菌以外の細菌群は殺細胞作用が強いため、poly(I:C)刺激によるモデルを用いることとした。 2.既に作成されたHMGB1 A-boxのプラスミドを使用し(Yang et al., PNAS, 2004)、愛媛大学プロテオサイエンスセンターにて、コムギ無細胞タンパク質合成技術によりRecombinant HMGB1 Aboxを作成した。 3.先ほどの創傷遅延モデルに対し表皮ブドウ球菌とHMGB1 Aboxを投与することで、創治癒の改善がみられた。次に細胞由来のLTA(lipoteichoic acid)とpoly(I:C)の創傷モデルでも改善がみられた。 4.次に三次元培養表皮(Livingskin equivalent; LSE)を用いて、同様な実験を行った。物理的創傷にはマイクロピペット先端を用いた。単層培養モデルとは異なり、LSEにおいては創傷治癒モデルの確立が難しく、さらに工夫が必要であると思われたため、現在創傷治癒モデルを作成中である。
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