研究課題
2018年度は3頭のブタにおいて、1、リンパ管ワイヤーの安全性と有効性に関する評価 と2、リンパ管内治療(Endo-Lymphatics Treatment, ELT)の開発 を行った。リンパ管弁機能不全の有無を評価するため、逆行性に水溶性造影剤でリンパ管造影した。また、リンパ管を採取、組織学的に解析し、内皮、弁共に明らかな異常所見はなかった。 ELTとしてリンパ管狭窄モデルの作製を行った。リンパ管ワイヤーを 挿入、リンパ管を同定、顕微鏡下にナイロン縫合糸でリンパ管を緩く結紮し、狭窄モデルを作製、術後経過1か月、リンパ管へ再度リンパ管ワイヤーを挿入したが、狭窄部を通過できなかった。 ELTの一環として、2019年度は2頭のブタを用いてリンパ管静脈吻合術後の吻合部へのワイヤ挿入による開存確認の検証を行った。2頭とも吻合部が閉塞し、吻合部から静脈へのワイヤ挿入はできなかった。ワイヤ挿入により吻合部が閉塞しているか判断が可能であると思われた。2020年度は得られた結果について、英文誌Lymphatic research and biologyに論文掲載されたが、コロナ禍で第10回International Lymphedema Framework(Denmark Cophenhagen)に参加できず、 2021年12月、The 5th Congress of Asian Pacific Federation of Societies for Reconstructive Microsurgery(つくば市)、第48回日本マイクロサージャリー学会(つくば市)でリンパ管ワイヤの講演を行い情報交換した。さらに、2021年12月にはリンパ管ワイヤの上市に向け、PMDAとの相談を進め、2022年2月に上市となり下肢リンパ浮腫2例においてワイヤの臨床使用を行うことができた。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Vasc Surg Venous Lymphat Disord
巻: 10 ページ: 728-737
10.1016/j.jvsv.2021.09.006.