研究課題/領域番号 |
18K09488
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
素輪 善弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80468264)
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研究分担者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シュワン細胞 / 遺伝子導入 / 末梢神経再生 / ケミカルコンヴァージョン / スクリーニング / SOX10 / KROX20 |
研究実績の概要 |
われわれはSOX10とKrox20の2つの転写因子遺伝子を導入することでシュワン細胞を誘導する独自技術を開発した。今後その実用化をさらに拡大する必要がある。本研究の目的は、レトロウイルス・ベクターに代わる小分子化合物を用いて、機能的なシュワン細胞を線維芽細胞から直接誘導する技術を樹立しすることであった。最初に、SOX10とKrox20の機能を代替する小分子化合物を9,600分子種の小分子化合物Core Libraryを用いて、シュワンマーカーS100bを蛍光染色し、蛍光プレートリーダーで蛍光強度を定量する方法でスクリーニングを行った。結果、Krox20については遺伝子導入で誘導したdSC(ポジティブコントロール)に比し、陽性のシグナルを発する化合物Xを同定できたが、SOX10の代替え化合物は残念ながら同定されなかった。そこでKrox20の代替えとなる化合物Xを投与して、シュワン誘導培地で化学刺激的誘導を試みたところ、これまでの伝統的な誘導シュワン(conventional Schwann cell-like cell: cSCLC)に比較して誘導効率は飛躍的に向上した(以下modified SCLC:mSCLC)。mSCLCは多くのシュワンマーカーの細胞免疫染色、遺伝子発現上昇がみられた。また、mSCLCは神経細胞との共培養で、神経突起を伸長させる効果が確認された。しかしながら、これらのシュワン細胞のフェノタイプと機能は、遺伝子導入を行ったdSCに比較するとはるかに発現や作用効果は限定的であった。よって新たな研究戦略の再考が必要とされる。今後、このような化合物によるChemical conversionとは別の遺伝子導入を行う際のベクターに工夫を加えるなどの別方向からのアプローチを考えていく。
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