研究課題/領域番号 |
18K09491
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
市原 理司 順天堂大学, 医学部, 助教 (40599247)
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研究分担者 |
林 礼人 順天堂大学, 医学部, 教授 (10365645)
丸山 祐一郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80181840)
原 章 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50327839)
吉澤 秀和 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10512593)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人工神経 / シュワン細胞 / 末梢神経再生 / 遺伝子改変マウス |
研究実績の概要 |
本年度は実験モデルの作成、ならびに再生軸索の伸長・シュワン細胞の遊走の評価に主眼を置き研究を遂行した。実験モデルの作成は当施設の動物実験室にて行い、再生軸索・シュワン細胞の遊走の評価は環境医学研究所にて行った。実験モデルとしてラット坐骨神経20mm神経欠損モデルに対してシュワン細胞を充填したハイブリッド型人工神経で架橋し4週間の経過観察を行った後に、再生の評価を組織学的評価法にて行った。再生した軸索伸長の経時的な評価は、遺伝子改変により蛍光発色するラットを用いた。すべての神経軸索が発色するThy1-GFPラットを使用した。我々の実験系では正常な坐骨神経を部分損傷させ同部位に人工神経を端側神経縫合することで神経発芽を促し、シュワン細胞を人工神経内へ誘導することでハイブリッド型人工神経を作成することが重要な新規性となる。この端側神経縫合法でシュワン細胞を4週間充填させたハイブリッド型人工神経でラット坐骨神経20mm欠損に対して架橋を行い、架橋後4週での神経再生評価を行った。評価法として抗NF抗体を用いた軸索伸長評価と、抗S-100抗体を用いたシュワン細胞の遊走の評価とした。人工神経の近位断端から5mm,遠位断端から5mmのところで、横断面・凍結切片を作成したうえで免疫染色を行った。架橋後4週の時点では、近位横断面では抗NF抗体で染色された軸索や抗S-100抗体で染色されたシュワン細胞が多く確認されたが、遠位横断面においてはシュワン細胞は旺盛に確認されたが、軸索はまばらであった。今後は、コントロールとしてハイブリット型人工神経でない、無細胞組織である人工神経を用いてラット20mm欠損を架橋するモデル、長期モデルとして架橋後12週経過観察したモデルの作成などを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験室の大規模改修やCOVID-19蔓延のため、令和2年6月まで実験室使用が不可能となっていたため,実験開始が令和2年度7月からであり、ラット坐骨神経に端側神経縫合し4週間経過したシュワン細胞を充填したハイブリット型人工神経を用いて、ラット坐骨神経20mm欠損に移植し4週経過したモデルの確立と、再生軸索とシュワン細胞遊走の評価で令和2年度は終了した。現在、コントロール群として市販されているコラーゲン製人工神経を用いて直接、ラット坐骨神経20mm欠損を架橋したモデルと、長期モデルとして12週まで経過観察した後に免疫染色などによる組織学的評価を行うモデルを作成し経過観察中である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで行ってきたモデル作成ならびに再生軸索・シュワン細胞遊走の評価において、神経再生が起きていることを確認する。その後に、我々が使用している遺伝子改変ラットの最大の特徴である、ラットを生きたまま観察するLive imaging法でハイブリッド型人工神経内における再生軸索伸長の様子を継時的に測定しデータ化する。具体的には架橋後1週間ごとに吸入麻酔下でラットを鎮静させた後に、坐骨神経部を展開し軸索伸長の様子を経時的に観察する。また、人工神経の遠位断端まで再生軸索の伸長が確認できた時点で共焦点レーザー顕微鏡を用いて人工神経の近位、遠位を含む坐骨神経全体のWhole mount imaging法による神経再生評価を行う。本法を行う意義は、ハイブリット型人工神経内を軸索がどのように伸長していくかを確認するとともに、無細胞組織である従来の人工神経内を軸索伸長していく様子と比較することで、シュワン細胞を充填したハイブリット型人工神経の有意性を確認する意図がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該研究を行うメインの施設である環境医科学研究所ならびに同動物実験施設の大型改修工事に伴い、2019年10月から2020年2月まで使用不可となったこと、また、同時期にCOVID-19蔓延化であり、動物実験室への出入りが2020年6月まで不可となったため、当初予定してた実験計画を大幅に下方修正したため、当該助成金を2021年度分として請求することとなった。
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