研究課題
今年度は、幼弱化シュワン細胞が蛍光発色するNestin-GFP mice、軸索が蛍光発光するThy-1YFP miceの坐骨神経と大腿神経を用い、マウスに合わせた太さ0.4mm、長さ10mmのコラーゲン型人工神経(リナーブ)を端側神経縫合し、蛍光顕微鏡を用いてシュワン細胞が人工神経内を遊走することを確認した。しかし、0.4mmのコラーゲン型人工神経では、自己融解が予想以上に早く、4週のシュワン細胞遊走後にハイブリッド型となった人工神経を摘出し、他のマウスの神経欠損に移植して継続的に評価することが難しい状況であった。また、人工神経の硬さとマウス坐骨神経の短さ故に、人工神経両端を端側神経縫合させるモデルの作成が困難であった。そのため、ラットでの実験が必要と考え、神経軸索が蛍光発色するトランスジェニックラットをアメリカの研究室から特別に譲って頂き、ラットでの実験モデル作成を行ない、検討を進めた。実験方法は、第1群として人工神経に端側神経縫合でシュワン細胞を遊走させた群(ETS群)を作成した。1.0mm幅、長さ25mmのコラーゲン型人工神経(リナーブ)の両端を端側縫合してシュワン細胞を遊走させ、4週後にハイブリッド型となった人工神経を採取し、Thy1-GFPラットの坐骨神経20㎜欠損に、移植した。第2群はコントロール群とし、シュワン細胞を遊走させず初回手術でThy1-GFPラット坐骨神経20mm欠損に人工神経を移植した。両群ともに端々縫合後4週で採取し、縫合部断端より各々5mmの部位で横断切片を作成し免疫染色でシュワン細胞と軸索の面積率の比較を行った。軸索の面積率は近位遠位ともに有意差を認めなかったが、シュワン細胞の面積率は、近位、遠位ともにETS群で多い傾向であった。また、遠位の坐骨神経の軸索再生は両群ともに乏しくより長期モデルでの比較が必要であることが示唆された。
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