研究課題/領域番号 |
18K09496
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
清水 一彦 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (90385394)
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研究分担者 |
菊田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10367089)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | podoplanin / 創傷治癒 |
研究実績の概要 |
本研究は炎症の場に現れるポドプラニン(PDPN)陽性細胞の性状を形態学的・分子生物学的に追求し、この細胞が炎症の場で細胞遊走に関わるメカニズムを解明 することを目的としている。そこでマウス創傷治癒モデルを考案し、「PDPN陽性細胞が創傷治癒に果たす役割を解明する」事を研究期間内の目的としている。こ の期間内目的を遂行するにあたり、本年度も前年度に引き続き、論文作成のために前年度までに得られたデータの再解析を詳細に行なった。具体的には、免疫染色により得られた染色結果を定量化して調査したデータを再集計したものである。その結果、受傷後1日目にPDPNの発現が上昇することに違いはないが、集積するCD68陽性細胞は集積する部位に若干のばらつきが見られた。特に、上皮の基底細胞はPDPNの発現が強いが、CD68陽性細胞は基底膜直下よりも間質のPDPN陽性細胞の周囲によくみられる傾向にあった。理由については不明だが、上皮基底層のPDPNの発現は炎症性の細胞よ呼び寄せる以外の役割も果たしている可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度も新型コロナウイルス感染症拡大に伴い他の業務での対応が多くなり、研究に割り当てる時間が大幅に減少してしまった。特に連日で実験する時間を確保することが困難なことが多く、計画している実験を進めることが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は期間再延長した最終年度であるため、研究内容をまとめる方向で進める。具体的には、 1:多重免疫染色により、PDPN陽性細胞がどの様な機能的因子を 発現しているのかをさらに調査する。 2:抗PDPN抗体を受傷後に投与することでPDPNの機能阻害を試み、1:で検索した機能的因子がどの様に変化するかを調査 する。 3:研究内容を精査し、論文投稿の準備を行う。 特に3については前年度より着手しているが、データを再考察して大枠を変更するため、こちらを最優先して2022年度中の投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、自身の昇任準備に時間を取られてしまった。また、前年度同様、新型コロナウイルス蔓延によるオンライン講義の準備や昇任に伴う本業務のエフォートが増えたため、研究に割く時間が減少してしまった。2021年度までの未使用額については、まずデータ解析用の物品購入と論文投稿に必要な経費として使用する予定である。
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