4周齢ラットの坐骨神経およびs中枢神経損傷モデルを作成し、ヘルムホルツコイルを使用し磁場と波形を変更しながら組織的に検討を進め磁場影響下での再生を検討した。 磁場をかけた状態で再生軸索先端の成長円錐は損傷神経の遠位端にまっすぐ伸長していることを確認できた。また、損傷部-再生軸索周囲にはたくさんのマクロファージが確認できた。損傷したdebrisを貪食している像が電顕像にて確認された。以上より再生軸索においてマクロファージは再生軸索先端で軸索に沿って認められたが成長円錐に特異的に認められたわけではなかった。以上よりマクロファージが損傷部に遊走し損傷によるデブリスを速やかに除去することで線維芽細胞抑制に寄与していると考えられた。坐骨神経及び脊髄損傷モデルにて磁場をかけた条件下にて、損傷後1-4週間後の瘢痕形成後のモデルに対し磁場の影響を検討した。損傷後早期(48時間、4日間)におけるcAMPの発現は上昇していた。シュワン細胞が成長円錐より遊走していたことから軸索再生の方向性決定に何らかの役割を果たしていることが示唆された。ラミニンはワーラー変性を引き起こしている軸索の損傷末梢側ではなく中枢側の再生軸索の成長円錐近傍に認められたため再生軸索の足場となっていることが確認された。ラットの坐骨神経切断術後2日、4日、7日にてマイクロアレイ解析を施行し発現の上昇した遺伝子をコントロールと比べて検討した。Actn2、3の発言上昇を認め、免疫染色でも再生軸索成長円錐にF-actinを認めたため、アクチンが軸索伸長に寄与している可能性が示唆された。 中枢神経損傷モデルでは瘢痕の抑制を認める周波数や波形は認められなかった。今後さらなる検討が必要であると考えられた。
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