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2019 年度 実施状況報告書

骨形成転換機構に関与する破骨細胞由来因子の同定および個体での役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09503
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中浜 健一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード破骨細胞 / 骨リモデリング / 骨芽細胞
研究実績の概要

本研究は破骨細胞による骨組織融解後、骨形成を担う骨芽細胞系細胞の遊走が惹起されるメカニズムを明らかにする事を目的とした。破骨細胞を軟組織中で誘導するためにRANKLとM-CSFを恒常的に発現するHeLa細胞及びNIH3T3細胞を作成し、Rag1ノックアウトマウスの背部皮下に移植すると移植細胞を主体とする腫瘍を形成した。得られた腫瘍の組織を観察したところ間葉系幹細胞由来と考えられる細胞、単核球マクロファージ及びリンパ管の広範な浸潤が認められた。また、破骨細胞をin vitroで分化させた際のcDNAマイクロアレイの結果から、VEGF-C及びsphingosine-1-phosphate (S1P)が骨芽細胞系細胞の遊走に関わっている可能性が強く示唆された。VEGF-Cはリンパ管形成に関わることが知られているが、骨組織においてはその役割は不明である。S1PについてはS1P分解酵素であるS1P lyase の阻害剤及び誘導型S1P lyase (Sgpl1) ノックアウトマウスで骨量の増加が報告された(Nat Med. 2018 May;24(5):667-678)が、この報告では骨芽細胞のS1P2受容体を介した作用であることが示されており、破骨細胞由来S1Pによる骨芽細胞系細胞の遊走及び骨形成能に関しては未だ解決されていない。そこで、RAW細胞由来破骨細胞の培養上清中に存在する間葉系幹細胞遊走作用物質を特定するためにマクロファージ系細胞株であるRAW細胞を用い、Crispr/Cas9法によりS1P産生に必要なスフィンゴシンキナーゼsphk2ノックアウト細胞を作成することとした。現在、sphk2ノックアウト細胞のシングルセルクローニングを行なっており、いくつかのクローンが得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は2年目になり、RANKLとM-CSFを恒常的に発現するHeLa細胞及びNIH3T3細胞の免疫不全マウスへの移植実験及びin vitroでの遺伝子発現解析結果より破骨細胞由来間葉系幹細胞遊走因子を絞り込んできた。さらに、Crispr/Cas9法によるin vitroでの特定遺伝子ノックアウト技術も確立し、in vitroでの候補遺伝子のノックアウトによる破骨細胞由来間葉系幹細胞遊走因子の探索を開始している。

今後の研究の推進方策

まず初めに、現在クローニング中のRAW細胞にsphk2ノックアウトが導入されている事をDNAシークエンシングによって確かめる。最近、S1PR2阻害剤(JTE013)が破骨細胞分化を抑制したという結果(Cells. 2019 Jan 1;8(1).)が報告された。阻害剤による効果を検討した既報ではその作用の特異性に疑問があるため、得られたsphk2ノックアウトRAW細胞(sphk2KORAW)がRANKL刺激により破骨細胞へ分化する事を確かめる。その上でsphk2KORAW由来破骨細胞の培養上清の間葉系幹細胞郵送活性に及ぼす影響を調べる。さらに、in vivoによる検討も開始し、本研究の目的を達成する事を目指す。

次年度使用額が生じた理由

物品購入後の端数であり、次年度繰越とした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 破骨細胞内cAMP上昇におけるGPR68の関与2019

    • 著者名/発表者名
      劉 鴻鼎, 穐山 雅子, 中浜 健一
    • 学会等名
      第5回日本骨免疫学会

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公開日: 2021-01-27  

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