骨は常に新しい細胞で置き換わっている。しかし、骨吸収から骨形成の転換が起こるきっかけについては分かっていない。我々は軟組織中に破骨細胞様細胞を分化させることに成功し、その領域に骨芽細胞マーカーであるアルカリフォスファターゼ陽性細胞を認めた。そのため骨吸収が終わり骨形成に移行する際に骨形成を担う細胞を吸収窩に遊走させるのは破骨細胞由来液性因子であると考えた。in vitroで分化させた破骨細胞は間葉系幹細胞の遊走を促進した。破骨細胞が産生するスフィンゴシン-1-リン酸 (S1P)にもその遊走活性を見出した。現在S1P産生分泌に関わるSphk2ノックアウト細胞樹立を試みており、さらに研究を進める。
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