研究課題
低分子量Gタンパク質Rac1およびCdc42はこれまでの研究より、硬組織形成、なかでも四肢骨格軟骨形成において重要であることが示唆されてきた。Rac1およびCdc42は細胞外からのシグナルを細胞内に伝える分子スイッチであることを考えると、細胞内でどのようなシグナル伝達により細胞の機能を制御し、硬組織形成に影響を与えているか検討することは肝要であると考えられる。そこで、本年度は骨芽細胞における機能を検討する目的で、in vitro(マウス由来頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞)でRac1とCdc42の機能を阻害する阻害剤、NSC23766およびCasinをそれぞれ作用させた際の細胞内における遺伝子発現変化の網羅的解析をマイクロアレイ解析により行った。その結果、hyaluronan synthaseファミリーの1つHyaluronan synthase 2 (Has2)、Tranforming growth factor beta superfamilyに属し頭蓋骨形成に重要な役割を果たしていると考えられているGrowth diffrentiation factor 10 (Gdf10)、インスリン様増殖因子結合タンパク質ファミリーの1つ、Insulin-like Growth factor binding protein 5(Igfbp5)などの遺伝子発現が強力に抑制されることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
Rac1とCdc42の機能を低下させた時に発現が低下する遺伝子を抽出することができたため。
再現性の実験を行うことなど、より詳細な機能解析に関する研究を遂行していく予定である。
前年度の研究のより詳細な解析(定量的PCRなど)を行うことができなかったため、次年度に繰り越すこととなった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件)
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