研究課題
基盤研究(C)
すべて細胞から分泌される約100nm前後の小胞(細胞外小胞:EV)は、周辺細胞や遠隔細胞へ伝搬することで細胞機能の調節や様々な病態プロセスに関与する。本研究では、骨転移性乳癌細胞由来EVが、骨形成を担う骨・骨芽細胞への伝搬を介して、それらの分化および石灰化を著しく抑制することを明らかにした。また、その分子機序として、細胞内シグナル伝達に重要なタンパクであるMAPキナーゼの活性化抑制を介することを示唆する結果を得ることに成功した。
細胞生物学
本研究では、骨転移性乳癌細胞由来細胞外小胞(EV)が、骨芽細胞の石灰化を著しく抑制すること見出し、その分子機序としてMAPキナーゼ活性化抑制を介していることを明らかにした。この発見は、骨転移に伴う骨破壊の制御メカニズムにおける、骨転移性乳癌細胞由来EVの機能の新たな発見に加え、EVをターゲットとした骨破壊のマーカー探索への応用に有用な知見を与えうるものと考えられた。