メチルグリオキサール(MG)は解糖系の副産物で、終末糖化産物の前駆物質である。我々は、骨芽細胞を用いた石灰化物形成モデルにおいて、MGがコラーゲンの架橋構造の糖化変性を起こし、石灰化物の機械的強度を低下させることを見いだしている。MGはタンパク質を求核攻撃することから、本研究では、強力な求電子性を持つ活性イオウ分子種(RSS)が骨芽細胞による石灰化にどのような影響を及ぼすかを解析した。RSS合成酵素の発現抑制は骨芽細胞による石灰化抑制を観察した。さらに、RSSドナーのひとつNaHSはMGによる石灰化低下を抑制した。RSSは、MGによる石灰化異常に対する治療効果が期待できる。
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