ストレス状況下での摂食異常の神経機構を明らかにするために、ショウジョウバエを用いたストレス実験モデルを確立し解析を行った。野生型ハエにおいて、空腹に伴う糖質摂取量の増加は絶食16時間後から観察された。脳内におけるドパミン作動性ニューロンの興奮が、この糖質の摂取行動を誘導することを明らかにした。また、狭小空間内での飼育により行動抑圧ストレスを負荷するとショウジョウバエの糖質摂取量が増加し、この際に脳内で活動するニューロンのパターンは空腹時と類似していることを見出した。以上の結果は、ストレス依存性に生じる摂食障害に関わる神経機構の理解の一助となることが期待される。
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