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2018 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌の非癌上皮細胞との衝突界面におけるアクチン重合配置の分子制御

研究課題

研究課題/領域番号 18K09550
研究機関新潟大学

研究代表者

阿部 達也  新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (70634856)

研究分担者 丸山 智  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
柿原 嘉人  新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / actin / LAD1
研究実績の概要

これまでに口腔扁平上皮癌の病理組織標本を用いた蛋白質網羅的手法で同定された癌-非癌組織界面部に近接する癌組織に特異的に増加した蛋白質のうち, 口腔扁平上皮癌(SCC) 細胞におけるladinin-1(LAD1) の局在・機能解析を行った. 実験に用いた細胞株 (HSC-2, -3, -4) では, 免疫蛍光法で, 葉状仮足基部のactin arcに沿ってLAD1陽性を認めた.
また, siRNA による LAD1 発現抑制細胞では, 葉状仮足・糸状仮足を形成する actin 線維形成が減少し, 細胞縁がruffle な形態を示したことから, LAD1はactin分子の動態の調整に関わる可能性が示唆された. また, LAD1発現抑制細胞は,細胞増殖の抑制を示し, wound-healing assayでは細胞遊走阻害がみられた. 一方で, transwell migration assay では, LAD1抑制細胞の遊走は促進傾向であった. PCR array を用いた細胞遊走関連遺伝子の発現解析では, 複数の細胞遊走関連遺伝子の発現低下傾向がみられた.
細胞遊走に対する LAD1 の関連性については、検討を継続中であるが, 口腔SCC細胞においてLAD1はactin分子制御を介し, 癌細胞の生存, 遊走性に密接に関連する分子であることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

癌-非癌界面部解析により同定された LAD1 の口腔扁平上皮癌細胞内における actin 分子制御機能が明らかとなり, 当初の計画に沿っておおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

今後, LAD1 ノックアウト細胞を作製し, 異種細胞との混合培養実験を行い, 異種細胞接触状態という生体内に近似した環境での機能解析を行う予定である. また, 最終年度にかけて計画している組織学的検討についても症例選択や免疫組織化学の評価法などの予備的検討を進めていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

培養細胞を用いた機能実験に当初の予定よりも時間がかかったため, 円滑な計画遂行のために予定していた組織学的予備検討に遅れが生じた. そのため, これらにかかる予算の一部を次年度使用額とすることとなった. 次年度に, 組織学的検討の準備・予備的検討に充てる予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] アクチン分子を介したladinin-1の口腔扁平上皮癌細胞増殖・遊走制御機構2019

    • 著者名/発表者名
      阿部 達也, 味岡 洋一, 山崎 学, 丸山 智
    • 学会等名
      第108回日本病理学会総会
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞におけるladinin-1 の機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      阿部 達也, 丸山 智, 山崎 学, 味岡洋一
    • 学会等名
      第107回日本病理学会総会
  • [学会発表] Ladinin-1 はアクチン分子動態の調整を介し、口腔扁平上皮癌細胞の増殖と遊走を制御する2018

    • 著者名/発表者名
      阿部 達也, 丸山 智, 山崎 学, 味岡洋一
    • 学会等名
      第29回日本臨床口腔病理学会総会・第11回日本口腔検査学会総会・共催学術大会
  • [学会発表] Ladinin-1 is involved in cell motility and proliferation of oral squamous cell carcinoma cells2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Abe, Manabu Yamazaki, Satoshi Maruyama, Yoichi Ajioka
    • 学会等名
      joint IAOP-AAOMP meeting 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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