研究課題/領域番号 |
18K09555
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
吉賀 大午 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10507784)
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研究分担者 |
笹栗 正明 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00225898)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
竹内 弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70304813)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | テリパラチド / ビスホスホネート / MRONJ / BRONJ / Zol |
研究実績の概要 |
近年超高齢化社会となった日本において医療費の財政負担が大きな問題となっているが,特に高齢者の医療費は増加の一途をたどっており,その要因の一つに筋肉や骨などの運動器の障害による要介護の状態(ロコモティブシンドローム)による寝たきり老人が挙げられている.つまりは寝たきりとなる原因として約20%が骨折によるもので,骨の脆弱性に関与する骨粗鬆症が大きな問題としてあげられている.実際に現在骨粗鬆症患者は日本において1000万人を超え,社会的な問題となっており超高齢化がそれに拍車をかけている.骨粗鬆症の治療法は多様に存在するがビスホスフホネート(BPs)が有効な第1選択的治療薬となっているのは周知の事実である.そこでわれわれは独自に開発したラットBRONJモデルを用いて,BPsとは違うメカニズムで骨粗鬆症の治療を目指すテリパラチドを用いてその効果を検討してきた.われわれはBRONJのモデルラット,テリパラチド治療モデルを開発してきた.BPs投与した群ではAA菌およびLPS負荷によりBRONJの発症を確認できた.そこで,これらのラットモデルを用いてテリパラチドを前投与,後投与で検討した.いずれのラット群においても粘膜潰瘍や膿瘍,瘻孔形成,骨露出は認められなかった.また,安楽死処分時の平均体重はテリパラチド群でやや高値であったが,有意差は認められなかった.またH-E染色を行った.脱灰標本を用いて新生骨面積および壊死骨面積の測定を行ったところ,下顎骨,大腿骨ともに,生理食塩水群では広範囲の壊死骨が骨穿孔部周囲に形成されており,穿孔部における新生骨面積は極めて小さいか皆無であることが確認できた.一方,テリパラチド群では前投与においても後投与においても骨穿孔部周囲および内腔における新生骨形成が認められ,壊死骨面積は生理食塩水群と比較して有意をもって縮小していることが確認できた.
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