研究実績の概要 |
上皮細胞Ca9-22にT. denticola, Porphyromonas gingivalisを感染させる系を用いて、上皮細胞の機能のエピジェネティク制御について明らかにするため解析を行った。T. denticolaの感染によって細胞のmigrationが低下した。本菌表層のmajor surface proteinの欠損株においても野生株に比べてmigratinが低下していたが、野生株に比べそのレベルは低かった。野生株の感染した細胞でfocal adhesion kinaseとpaxillinの分解が認められたが、T. denticolaのdentilisin欠損株の感染では、分解は認められなかった。この分解は、T. denticola感染によって引きおこされるMMPの可能性が考えられた。 ATAC-seqから得られたピークのヒートマップの結果からP. gignigvalisの感染した細胞では、多くのピークが認められ、クロマチンの多くの部分がオープンしているという予測が得られたが、T. denticolaの感染した細胞では、ピークが少なく、対照の細胞よりもクロマチンがオープンしていると予測される部分が少なくなっていた。 Gene ontology 解析では、P. gingivalisの感染した細胞では、regulation of ion transmembrane transport, cell-cell signaling, positive regulation of cell proliferation, T. denticolaの感染した細胞では、positive regulation of glial cell proliferation, negative regulation of sequence-specific DNA binding transcription factor activity等の機能遺伝子に関わる部分にピークが認められていた。
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