我々は、う蝕と歯周病、さらには感染性心内膜炎など歯性感染症の原因となる口腔バイオフィルム(デンタルプラーク)形成の初期に歯に付着する口腔レンサ球菌のHsaアドヘジン(付着因子)を同定した。この研究の目的は、Hsaを含むこれらアドヘジンの多様性を解明することである。ヒト口腔サンプルから190株の口腔レンサ球菌を分離し解析した結果、Hsaの非繰り返し領域(NR2)は、赤血球凝集活性に何らかの関連があること、Streptococcus gorodonii と同定された株でHsaと類似のタンパク質が存在する可能性が高いこと、NR2領域の推定アミノ酸配列は他の領域に比べて多様であることを明らかにした。
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