乳癌の術前あるいは術後化学療法として、ドキソルビシン(アドリアマイシン)とシクロフォスファミドを用いた治療(AC療法)を受けた患者を対象とし、45名の患者に対して行われた、201回の化学療法を対象として、発熱性好中球減少症の発症の有無、そして発症した際に歯性感染症の関与が疑われるかについて、診療情報から後向き調査研究を行った。 対象とした45名の患者のうち、3名の患者において、口腔感染症の関与が疑われ、その口腔感染症の種類は、根尖性歯周炎、智歯周囲炎、そして口腔粘膜炎が1名であった。歯周病を原因とするものがなかった。智歯周囲炎についても発熱性好中球減少症の原因として念頭に置く必要性を示唆した。
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