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2019 年度 実施状況報告書

歯髄治癒過程におけるマクロファージ・歯髄幹細胞・再生神経のクロストークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09588
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

武藤 徳子  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (40510433)

研究分担者 石井 信之  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20163610)
大島 勇人  新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード歯髄
研究実績の概要

実験的歯の損傷モデルとして、8週齢ラット(Wistar)及び6週齢ICR系マウスの臼歯近心隣接面にグルーブ状に窩洞を形成し、経時的(1日~2週)に動物を固定し、通法通りパラフィン切片を作製し、Ki67免疫染色にて術後歯髄治癒過程における細胞増殖活性を、さらに神経線維、M1・M2マクロファージの動態は、PGP9.5、ED1、ED2、OX6抗体を用いて、免疫組織化学に解析した。
結果は、水酸化カルシウム製剤群、対照群は、歯髄の炎症は持続傾向であったが、MTA覆髄時の感染歯髄は消炎傾向を示し、さらに硬組織形成傾向が認められた。MTA群はPGP9.5は術後1週間後は、歯根全体に陽性所見が認められるが、術後2週間後は髄床底部付近に陽性所見が認められた。水酸化カルシウム製剤群は、術後2週後にED1,2が強く染色され、PGP9.5の陽性所見は根尖付近にわずかに認められた。対照群は、歯冠部にED1の陽性所見が強く、PGP9.5は根尖部から歯根中央部にかけて陽性所見が認められたが、術後2週間後では、ED1の陽性所見が歯根の歯冠側から歯根中央部にかけて陽性所見が認められ、PGP9.5は歯冠側に限局されていた。MTA群においては歯髄の治癒が認められ、水酸化カルシウム製剤群、対照群では歯髄治癒遅延傾向が認められた。
可逆性の炎症性環境は浸出液が多く、pHの変化を誘導することで、炎症改善と硬組織形成の促進の両方が期待出来ると考えられる。再生神経の発生と歯髄治癒には相関が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

胎生期BrdUラベリング法で歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルしたラットを用いて実験的歯の損傷モデルを解析する予定にしていたが、新型コロナ感染症による動物実験自粛要請に伴い実施を行うことが出来なかった。しかし、研究準備はなされており、今年度実施可能である計画である。

今後の研究の推進方策

今年度は、実験的歯の損傷モデルを胎生期BrdUラベリング法で歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルしたラットを用いて行い、ラット臼歯歯髄治癒過程におけるBrdUラベル細胞と歯髄内細胞増殖活性・アポトーシスおよびM1、M2マクロファージの動態、神経の再生との関係を免疫組織化学にて検索する。さらに、歯の損傷後のBrdUラベル細胞と細胞増殖活性・アポトーシス、神経線維の増殖との関連を調べるために、胎生期ラベリング法によりラベルした4週齢ラット第一臼歯を抜去後、歯を再植する。経時的(1日~2週)に動物を固定し、通法通りパラフィン切片を作製し、Ki67免疫染色、TUNEL染色を行う。さらに、BrdU・Ki67二重染色、BrdU・TUNEL二重染色を施し、歯髄幹細胞/前駆細胞の増殖能・アポトーシスを検証する。二重染色については、既に技法は確立している。神経線維、M1・M2マクロファージの動態は、PGP9.5、ED1、ED2、OX6抗体を用いて、さらに歯髄幹細胞分泌シグナルsSiglec-9/MCP-1の発現パターンを免疫組織化学にて解析する。本研究の遂行においては石井研究室、大学院生(許多)が加わる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 歯髄治癒過程におけるマクロファージ・再生神経のクロストークの解明.2019

    • 著者名/発表者名
      武藤徳子, 許多, 石井信之
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2019秋季学術大会
  • [学会発表] Elucidation of crosstalk between macrophage and regenerative nerve in the process of dental pulp healing.2019

    • 著者名/発表者名
      Noriko Mutoh, Nobuyuki Tani-Ishii.
    • 学会等名
      日本免疫学会学術大会.

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公開日: 2021-01-27  

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