研究成果の概要 |
アジスロマイシンを併用し全顎のスケーリング・ルートプレーニング(FM-SRP)を糖尿病を有する歯周病患者に実施することで、臨床パラメーター(PD, BOP, PISA)、歯周病原細菌数を短期間に改善させ、さらにHbA1cを0.3%程度改善させることが可能であることが示された。また、炎症性サイトカイン(hs-CRP, TNF-α, IL-6)を早期に下げ、低い値を維持できたことから歯周病と糖尿病の長期安定化が期待できると考えられる。また、PISAはHbA1c、hs-CRP、TNF-αとの相関が強く、歯周病患者の糖尿病の状態を評価する上で有効な指標となることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病と歯周病は相互の関連する疾患であり、患者さまのQOLを著しく低下させる。アジスロマイシン(AZM)という抗菌薬を併用して全顎のスケーリング・ルートプレーニング(FM-SRP)を行うことで歯周病による病態、炎症(PD, BOP, PISA, hs-CRP, TNF-α, IL-6)が早期に改善し、これに伴い糖尿病(HbA1c)が改善することが示された。AZMを併用したFM-SRPを行うことで罹患率の高い2つの疾患を改善させ、QOLの改善と医療費の抑制が期待できる可能性がある。また、糖尿病の合併症の抑制にもつながり国民の健康維持増進につながる可能性が示された。
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