研究課題/領域番号 |
18K09591
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
吉永 泰周 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452869)
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研究分担者 |
金子 高士 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10284697)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | セメント細胞 / 歯周組織再生療法 / メカノセンサー |
研究実績の概要 |
最近の研究によると骨細胞は休止している細胞ではなくメカノセンサーとして働き、骨芽細胞と破骨細胞を制御して骨のリモデリングにおける司令塔的役割をになっていることがわかり、注目が集まっている。また歯根表面に存在するセメント質も骨組織と類似した構造をしており、骨細胞のかわりにセメント細胞が埋入されているが、セメント細胞の働きは殆どわかっていないのが現状である。 また歯周炎によって破壊された歯周組織を再生する試みとしていくつかの歯周組織再生療法が報告されているが、これまでは歯槽骨や歯根膜を標的とした方法が多く、セメント質を標的とした方法はほとんど無い。セメント質がリモデリング耐性で動的リモデリングを受けないため、再生が難しいと考えられていたからであるが、セメント質は生涯に渡って添加され続けることを考えると、骨細胞において明らかになりつつあるメカノセンサーとしての骨形成制御メカニズムを応用して、類似した細胞であるセメント細胞によるセメント質添加メカニズムを解明すれば、セメント質および骨形成を同時に誘導する共通因子による新規歯周組織再生療法の開発が可能であると考える。 そこで、本年は、通常の咬合力をコントロールとして、咬合性外傷モデル(対合歯過高)における病理組織学的変化をHE染色にて確認するとともに、IL-1βやRANKLなどの発現を免疫染色にて確認し、そのセメント細胞や骨細胞の働きについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたどおりに咬合性外傷モデルの組織標本の作製を完了し、染色による標的の働きについて検討が開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、スクレロスチンやFGF-23、DMP-1、CTGF、ペリオスチンなどの骨形成やセメント質形成に関連する因子の変化について検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫染色に用いる抗体の購入を予定していたが、すでに所持していた抗体で代用が可能であったため、予定していた金額よりも使用金額を削減できたため。
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