研究課題/領域番号 |
18K09592
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
半田 慶介 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40433429)
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研究分担者 |
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 細胞移植 / 水平性骨欠損 |
研究実績の概要 |
本年度はマウスを用いて抜歯窩へ移植を行い、ES細胞由来間葉系幹細胞による骨化を確認するためのモデル構築を行った。免疫不全症マウスの皮下に前実験として背部皮下にマウス頭蓋由来未分化骨芽細胞を移植した実験では異種移植となるため、細胞が急襲を受け短期間に十分な骨組織の形成が観察されなかった。そのためマウス頭蓋由来未分化骨芽細胞を採取し、細胞を採取したマウスと同系統のマウスに対して同種移植することが観察された。このデーターを基にして十分量の骨組織が観察できるポリ乳酸による3次元的な骨再生が可能な骨量を確保できる足場材の性状と形態の検討を行った。最終的なヒト顎骨の水平性骨欠損の回復のためには少なくとも高さが1mm以上必要である。また形成した骨組織の遺伝子発現に関してはtotal RNAを回収し、リアルタイムPCR法による検討を行った。その結果、I型コラーゲンなどを含む骨関連遺伝子群の発現が確認されたことから、骨様構造物は成熟した骨組織であることが判明した。また得られた骨組織の中に含む生細胞のみを脱細胞化剤によって骨マトリックスのみにする脱細胞化の前実験を行った。組織切片を作成し内部構造を確認する。また将来的な大型動物である家畜ブタを用いた骨欠損作成のため、再生限界以下の形態を確定るするため、廃用家畜ブタの顎骨を採取し、形態学的な特徴を観察するため、マイクロCTによる組織解析を行った。観察の結果、下顎小臼歯部前方に埋植することが有効であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ES細胞由来間葉系幹細胞の安定的な培養のためのシステム構築および問題点の改善に時間を要している
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今後の研究の推進方策 |
現在ES細胞から分化誘導して間葉系幹細胞の作成を共同研究先と行っているが、その分化効率や効果的な培養方法の確立が急務である。そのため培養条件の検討と最適化が必要である。また形成した骨組織を臨床応用するためには有効なポリ乳酸による足場材の開発が必須となる。さらに形成した骨様組織から生細胞を除去する脱細胞化の技術習得を進めるとともに、使用する脱細胞化の薬剤の選択、実験条件の検討を行う予定である。また本年4月1日から所属先が変更となった。そのため異動先で細胞培養および動物実験を開始するために機材の整備など時間が必要である。そのため非常事態宣言解消後には早急に前所属先と連携して研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度培養器具購入の消耗品として使用を予定する
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