研究課題/領域番号 |
18K09599
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
應原 一久 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (80550425)
|
研究分担者 |
小澤 龍彦 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (10432105)
杉山 英二 広島大学, 病院(医), 教授 (70179167)
藤田 剛 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (80379883) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 歯周炎 / 歯周病原細菌 / 関節リウマチ / シトルリン化タンパク質 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、歯周炎が関節リウマチ(RA)増悪に与える因子を明らかにするために、 ①P. gingivalisによって誘導されたmRNA結合タンパクHuRによるIL-6 mRNAの安定化がIL-6分泌量を増加させ、RA病態形成に関与していることを明らかにする。 ②HuR増加によって誘導されたIL-6が分泌促進させるsRANKLが引き起こす、関節組織や、歯周組織の破骨細胞活性化にも着目する。特にRA患者で上昇するシトルリン化タンパクとこれに結合する抗CCP抗体から生成される免疫複合体が骨破壊に影響することを明らかにすることである。①については、IL-6 mRNA活性化をluciferase assayで評価する系を用いて、P. gingivalis感染時にHuR発現量が増加することでIL-6産生量が上昇することを明らかにし、HuR強制発現でもIL-6誘導が増加することを突き止めた。関節リウマチモデルマウスでの実験でも、P. gingivalis感染でHuRが上昇し、その結果によるIL-6上昇が、RA病態形成に影響していた。更にHuR抑制剤quercetin投与することでIL-6産生が低下し、RA症状に影響することも突き止めた。②についてはRAモデルマウスを確立し、患者由来B細胞より単離したmRNAからin vitroで合成した抗CCPモノクローナル抗体を用いた実験系で抗CCP抗体が破骨細胞分化を誘導する作用があることを突き止めた。またこの抗体の標的タンパク質がPg感染させたマウス歯周組織で多く産生されており、これらが免疫複合体を形成することが歯周炎進行に関与していることが示唆された。
|