研究課題/領域番号 |
18K09604
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川上 克子 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00423145)
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研究分担者 |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60381183)
野口 和行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90218298)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | BMP-9 / 直接覆髄 / MTA |
研究実績の概要 |
歯髄の温存は歯の寿命に関わる重要なファクターであり露髄に対する革新的な治療方法が強く求められている。 本研究は露髄面に直接覆髄剤と細胞刺激因子を用いることによって組織再生工学的アプローチにより象牙質を再生させ、露髄面を象牙質で封鎖することを目的とした。シグナル因子としてBMP(Bone porphogenetic protein:骨誘導タンパク) の中で最も高い骨分化誘導能・石灰可能を有することが明らかとなったBMP-9 、その担体としてMineral Trioxide Aggregate (MTA) を用いた。ビーグル犬の上顎前歯部においてラバーダム防湿下で露髄面を形成し、3群に分けて直接覆髄を行ったのち、コンポ ジットレジンを充填し象牙質再生能の評価を行った。3群は1. MTAのみで直接覆髄 2. MTAとBMP-9で直接覆髄 3. 直接覆髄を行わず、コンポジットレジン充填のみ(ネガティブコントロール)とした。術前と直接覆髄から3ヶ月後にレントゲン撮影を行っい、根尖部の状態を確認した。直接覆髄から 3ヶ月後に屠殺し、脱灰標本を解析した。各群のN数は6とした。結果、3ヶ月後のレントゲン像において根尖部に明らかな透過像の形成を認めなかった。ネガティブコントロール群においては歯髄の溶解や委縮が認められ、デンティンブリッジは観察できなかった。一方でMTA群では一部の試料においてデンティンブリッジは形成されたものの欠陥が認められた。MTA+BMP-9群では比較して厚く、欠陥のない石灰化物が確認できた。よって、MTAとBMP-9を併用することによって確実なデンティンブリッジを誘導できる可能性が示唆された。今後、適正濃度の決定などの検索が必要である。
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