研究課題
2019年度には、熱上昇により可塑化するUCST型温度応答性ポリマーの試作については、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ポリエチレングリコールに架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド、更に物理架橋剤として12タングストリン酸を水溶液中で混合し、過硫酸カリウムを重合開始剤として加熱・重合させることにより、透明なゲルが得られた。得られたゲルは反応終了後に温度が下がると、白濁することが確認された。透過率測定により、ポリエチレングリコール含有量を多くすると相転移温度(透明・不透明の入れ替わる温度)が下がるUCST型応答を示すことが確認された。更に、薬剤モデル化合物としてローダミンBを用い、熱応答に伴う薬剤徐放についての検討を行ったところ、過熱による薬剤モデルの放出が確認された。
2: おおむね順調に進展している
本提案のキーとなる温度上昇により可塑化するLCST型ポリマーを作成し、熱応答による薬剤モデルのポリマーからの放出に成功した。
2020年度は、上記で得られた温度応答性ポリマーゲルと光-熱変換効果を持つカーボンナノチューブとのハイブリッド材料を作成し、外部刺激としての赤外光照射によるゾル‐ゲル応答性とそれに伴う薬剤所法挙動について検討する。
今年度、代表者の異動もあり、購入を予定していた赤外線照射器の選定に時間がかかったため、購入が次年度に延期になった。今年度の赤外線照射実験は、共同研究者の研究室既存の装置を用いて実施した。共同研究者の研究室に予定以上の学生の配属がなされたため、謝金の支出が低下した。論文の掲載には至らなかったので、予定していた費用が繰越になった。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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