研究課題/領域番号 |
18K09621
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
杉浦 勉 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60398435)
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研究分担者 |
堤 定美 金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 客員教授 (00028739)
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20243842)
村上 和宏 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60569078)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歯科インプラント / 即時荷重 / マイクロモーション |
研究実績の概要 |
インプラント埋入直後に荷重負荷を開始する場合(即時荷重),オッセオインテグレーション獲得のためにはインプラント―骨界面に生じるマイクロモーション(微小動揺)が許容範囲内にある必要がある.しかし,埋入部位の骨の状態,治療様式とマイクロモーションとの関係はいまだに解明されていないため,荷重下で生じるその大きさを予測することはできない. 本研究の目的は,インプラント埋入予定部位の骨密度および皮質骨厚さと荷重下で生じるマイクロモーションとの関係を明らかにすることである.さらに,マイクロモーションを評価指標にした力学シミュレーションを行い,即時荷重適用可能なインプラント設計を明らかにする. 今年度は,インプラント形状(ストレートタイプとテーパードタイプ)および埋入部位の骨密度がインプラントの初期固定性に及ぼす影響を明らかにするための実験を行った.異なる骨タイプを想定した模擬骨を用いて,インプラントに荷重を負荷しその変位量を測定した. 皮質骨がある場合にはテーパードインプラントはストレートインプラントより初期固定性に優れるが,皮質骨がない場合にはテーパードインプラントの初期固定性向上の効果は認めなかった.したがって,過度のマイクロモーションによるosseointegration failureのリスク回避のためにテーパードインプラントが有利なのは皮質骨のある低骨密度海綿骨の場合であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模擬骨を用いた実験では生体との等価性を可能な限り高めたモデルを作製する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
模擬骨の荷重試験の実測データをもとにインプラント―骨界面における荷重伝達を反映させた有限要素モデルを構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に用いたインプラントが予定より少なかったため,インプラント関連実験材料費を次年度に使用することになった.
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