研究課題/領域番号 |
18K09640
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
滝沢 茂太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70793082)
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研究分担者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613573)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
佐藤 良樹 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (50808235)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ダイレクト・リプログラミング / 骨芽細胞 / スキャホールド / 再生療法 |
研究実績の概要 |
顎骨腫瘍手術後の大規模骨欠損や歯周病に伴う歯槽骨吸収による歯牙喪失はQOL(quality of life)を著しく低下させる。近年、線維芽細胞から目的細胞へ直接 誘導する技術(ダイレクト・リプログラミング)が報告され、申請者らも骨芽細胞への直接誘導の研究を行ってきている。本技術を最適化した上で、直接誘導による機能的な骨芽細胞を得ることができれば、今後の基礎的知見および臨床応用に生かすことができる。しかし、再生療法として用いるには、単に誘導骨芽細胞 注入するだけでは、細胞局所周辺環境が整っておらず、大規模な骨欠損に対しては十分な効果は得られない上に細胞移植手技も煩雑で失敗のリスクが高くなる。 そこで適切なスキャホールドを開発・併用して、骨欠損部局所に移植細胞を留め、誘導骨芽細胞の足場環境を整えることで、効果的な新規骨再生療法を開発することを目的とした。 元々はこれまでに我々が発見した遺伝子を導入する方法で骨芽細胞を線維芽細胞から直接誘導する予定であったが、実験期間中に我々のグループで遺伝子導入を用いることなく骨芽細胞を誘導する方法を発見したため、最終年度はその手法を用いて我々のグループが独自に開発した架橋ナノゲル上で骨芽細胞を誘導しえるか検討した。 その結果、架橋ナノゲル上つまり3D培養環境下でも線維芽細胞より骨芽細胞を誘導しえることことを確認した。 今後in vivoでのさらなる研究が必要であるが、本研究結果は、大規模骨欠損に対する効果的な治療法になる可能性を秘めていると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
元々のプランは、抗炎症サイトカイン産生骨芽細胞誘導であったが、遺伝子導入することなく、小分子化合物を添加するだけで線維芽細胞から骨芽細胞を誘導しえる方法を発見したため、最適なScaffoldの開発とそのscaffold上で直接誘導を試みることにし、その目的を達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今までは、in vitroで研究を進めいてたため、今後は in vivoでの研究を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
元々のプランは、抗炎症サイトカイン産生骨芽細胞誘導であったが、遺伝子導入することなく、小分子化合物を添加するだけで線維芽細胞から骨芽細胞を誘導しえる方法を発見したため、最適なScaffoldの開発とそのscaffold上で直接誘導を試みる方針へ変更したため次年度使用額が生じた。次年度はこの変更した計画に対して実験器具等を適宜購入していく。
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