認知症予防の有望な戦略の一つとされる栄養的アプローチの有用性を、口腔内状況を中心として検討をおこなった。具体的には、東北メディカル・メガバンク計画にておける前向きコホート研究に参加した地域一般住民から得られた咬合や義歯使用状況、歯周状態といった歯科データと栄養状態および認知機能に関連する脳の形態変化との相互関係を検討した。 その結果、咬合支持域が少ないと炭水化物の摂取が有意に増加し、タンパク質摂取や不飽和脂肪酸の摂取が減少することがわかった。また、咬合支持域が少ないとBMIや収縮期血圧の上昇といった生理機能の項目の変化も明らかとなった。そしてこれら項目の変化は義歯の使用群では認められなかった。
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