研究課題/領域番号 |
18K09662
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
熱田 生 九州大学, 大学病院, 講師 (30423487)
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研究分担者 |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50304697)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / インプラント |
研究実績の概要 |
幹細胞(iPS-cells/MSCs)は優れた増殖能、分化能、さらには免疫制御能から医科/歯科領域における再生治療の選択肢となりつつある。しかし臨床応用に向けては、治療効果の不安定さ(効果の大小/効果が皆無/症状を悪化)、副作用(肺組織の壊死)が課題となる。これらを解決すべく本研究チームでは、a)幹細胞の採取方法 b)投与方法を考慮し、予知性が高く副作用の少ない安全な幹細胞治療を目指す。特に本研究では、「インプラント治療に幹細胞を応用しその軟組織封鎖性を向上させる」プロジェクトを臨床応用するため、上記を解決していく。これらは幹細胞治療を進めていく上でクリアーしなければならない問題であり、この研究によって得られる成果は歯科のみでなく幹細胞を用いたあらゆる再生・細胞治療の基盤になると期待する。 本研究では幹細胞により安定した治療効果を提供することを目指す。すなわち実験a) 疾患モデルから幹細胞を採取し、幹細胞の性質変化と治療効果への影響を評価する。実験b) 前述のMSCが性質変化しているとすれば、それを治療するために正常なMSC処理または薬物処理を施しその効果を確認する。実験 c) 投与量・回数をコントロールするため「Cell Banking」の概念を採用する。以上3つの実験を並行して進めていくことで、幹細胞の臨床的な安全性を確実なものにする。 以上の内容を目指し現在、2年目の研究執行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の最終目標は「間葉系幹細胞をインプラント周囲軟組織の封鎖性向上のための臨床応用する」ことである。しかし臨床応用における大きな障害の一つとして幹細胞治療で見られる効果のバラツキ(治療効果の大小だけでなく病状の悪化も含む)に注目した。これを最小限に抑えるためa)幹細胞の採取方法 b)培養方法 c)投与方法の改善を目的として実験をおこなう。すなわち実験a) 疾患モデルからのMSCには再生能を含む治療効果が低い。実験b) 正常なMSCとの共培養やアスピリン投与で前述のMSCは治療効果を回復させる。実験c) 全身投与や単回投与の有効性を治療効果として評価する。
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今後の研究の推進方策 |
正常MSCと共培養されたまたはアスピリン処理された疾患由来MSCが十分な治療効果を有する:モデルラットを用いたin vivo実験に移行する。前年度研究と同様に、歯周外科時に歯周病罹患患者からの歯肉および海外共同研究者のLe教授よりMRONJ患者からのサンプルを入手する(「異常化」したMSC)。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が順調に進んだため、無駄なく消耗品を使用できた
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