研究課題/領域番号 |
18K09665
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80264448)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50553153)
原田 佳枝 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60432663)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔保湿剤 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,これまで申請者らが行った口腔乾燥ならびに保湿剤に関する研究成果をもとに,保湿剤を加温や冷却して年齢,性の違いによる食味嗜好に対応する温度調節型保湿法を開発し,その有効性について評価するものである. 平成30年度は,保湿剤の代表的な食味嗜好パターンの検討を行った.市販ジェル保湿剤10種を37℃のインキュベーター内で保温し,開封直後のもの(0時間)と8時間保管したもの(8時間)を用い,男性20名(平均年齢35.4歳)と女性20名(平均年齢30.5歳)に試料を1g手指で舌背に塗布した時の香り,味,舌触り,潤い感,塗りやすさ,総合点について,100mmのVisual analog scaleを用いて評価させた.その結果,全ての試料で男女とも総合点と味の評価の間に強い正の相関関係が示され,保湿剤を選択する上で味が重要な要因であることが示唆された. 次に,保湿剤の加温・冷却条件の検討のため,市販口腔保湿剤3種とこれらを混合したものについて,保管温度を37℃,25℃,4℃に設定し,C. albicansに対する抗菌性を評価した.その結果,4℃では,ほぼ全ての口腔保湿剤が低濃度のAMPH-Bと同程度の抗真菌性であったのに対し,25℃,37℃と保管温度が高くなるに従いその抗真菌性は高い値を示した.中でも,37℃におけるリキッドとジェル保湿剤の混合が最も高い抗真菌性を示し,その発育阻止円の大きさは,高濃度のAMPH-Bより大きかった.以上より,保湿剤の抗真菌性は,保湿剤のタイプと保管温度に関係し,37℃で保管した場合の抗真菌性が最も高いことが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画当初に予定していた市販口腔保湿剤について,いくつかが販売中止になり,新製品も販売されたため,再度,網羅的な調査が必要になったため.
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,C.Albicansに加え,C.glabrataに対する抗菌性の調査を行う.また,保湿剤の加温・冷却条件の検討のため,市販保湿剤の各温度における理工学的状性に関する調査も行い,代表的な加温,冷却温度との関係を検討する. 上記で得られた保湿剤の食味嗜好パターンや設定温度のもと,年齢,性別,疾患別に横断的調査を行い,同一製品の異温度間ならびに同一温度での異種製品間について計測を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の変更に従い,平成30年度に購入予定であった物品購入の一部を平成31年度に行う.
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