研究課題/領域番号 |
18K09665
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80264448)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50553153)
原田 佳枝 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60432663)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔保湿剤 |
研究実績の概要 |
口腔乾燥症患者では,唾液分泌の低下により口腔内や義歯床粘膜面におけるカンジダの菌数や検出率が増加することが報告されている.また,カンジダは,病原性の高い細菌と共凝集し,細菌のリザーバーとなり,口腔カンジダ症や義歯性口内炎の原因となる.これまで,口腔カンジダ症はC.albicansを原因菌とする日和見感染とされ,口腔カンジダ症患者の約80%を占めるとされてきたが,近年,C.glabrataの増加やこれによる口腔カンジダ症が報告されている. そこで,今年度は,口腔保湿剤のCandida albicansならびにCandida glabrataに対する抗真菌性について網羅的に調査を行った. 試料として保湿剤31種(リキッドタイプ11種,ジェルタイプ20種)を用いた.未開封の試料を研究開始まで,それぞれ25℃ならびに37℃のインキュベーター内で保管した.抗真菌性は,C. albicansならびにC. glabrata を播種した50%TSA培地に円柱状の穴を開けて試料を封入し,24時間培養後の発育阻止円を計測した. カンジダの菌種と保湿剤の発育阻止円の発現数との関係についてχ2乗検定を行った.各菌種における発育阻止円の大きさはt検定にて比較した. その結果,25℃ならびに37℃の試料どちらにおいてもC. albicansに対する抗真菌性が認められた保湿剤は8種,C. glabrata に対する抗真菌性が認められた保湿剤は12種であり,カンジダの菌種による発育阻止円の出現数に有意差が認められた.また,C. glabrataの発育阻止円の大きさはC. albicansのものと比べ有意に大きかった.
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