研究課題/領域番号 |
18K09667
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
石田 瞭 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00327933)
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研究分担者 |
川崎 聡大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (00444654)
杉山 哲也 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (50216347)
大久保 真衣 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (60385218)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 近赤外光イメージング装置(NIRS) / 脳活動 / 食物摂取 / 疲労度 / ブロックデザイン実験 |
研究実績の概要 |
4chサンバイザータイプNIRS(Hb131、アステム社製、神奈川)を用いて、食事場面での意識変化に対する応答を評価し、機器の特性を検証した。当初の計画では、20~30代の健康成人50名を対象とし、食事場面で想定される軽負荷(空嚥下、水の連続飲み、硬性食物摂取等)に対する変化を計測することとしたが、被験者間の比較検討の妥当性が低いと判断した。このため健康成人1名に対し、食物画像を認知した際の脳活動変化を、嗜好と関係なく観察する方法を検討した。 ワイヤレス4ch. NIRS(Hb131S, astem社)を前頭部に装着した被験者に対し、モニタに表示される画像を注視させ、Oxy-Hbの変化を追跡した。モニタ表示内容は、①レスト30秒、②食物画像を30秒間(10秒毎に異なる画像を3枚表示)とした。①+②を3回繰り返したものを1セットとし、3セットのブロックデザイン実験を行った。セット間には2分の休憩をはさみ、装置は外さなかった。対照として、食物画像をGAPEDの中性画像に差し替えて同様の実験を行った。データ処理は同一Ch.内でのみ行った。各Ch.のOxy-Hbの値を移動平均にてノイズ除去し、嗜好による影響を軽減する目的で、食物画像、中性画像それぞれのデータを加算平均処理した。レスト値(計60秒間)の平均を基準とし、食物画像と中性画像によるそれぞれの注視時で、Oxy-Hbの変化に差があるか検討した。 食物画像注視時の前頭部の活動は、中性画像注視時に比べ全てのCh.で有意に大きくなった(p<0.01)。食物画像注視時に、その味が想起され、前頭野が活性化したと仮定すると、この結果は先行研究と一致する。また、食物画像自体が快・不快刺激と似た反応を引き起こすとも考えられる。本研究結果から、嗜好と関係ない脳活動量の変化を観察し得る方法を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
要介護高齢者に対する実験に先立ち、健康ボランティアで検討する事項が想定よりも多かった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は食物摂取時における負担度、疲労度の客観的評価法を検討する。また年代による老化要因について検討する予定である。
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