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2020 年度 実施状況報告書

咀嚼筋のサルコペニアから高齢者における形態と機能の乖離の問題に迫る

研究課題

研究課題/領域番号 18K09674
研究機関東北大学

研究代表者

大井 孝  東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (10396450)

研究分担者 遠藤 耕生  東北大学, 大学病院, 助教 (30756292)
服部 佳功  東北大学, 歯学研究科, 教授 (40238035)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔機能 / 咀嚼筋 / サルコぺニア / 高齢者 / 口腔保健 / コホート研究
研究実績の概要

80歳で20歯を有する高齢者、いわゆる8020達成者の割合は近年で急激に増加した。しかしながら一方で20歯以上を有し歯列・咬合の形態的な健全性を維持しているにも関わらず、十分な咀嚼機能を発揮できない『形態と機能の乖離』した高齢者を診察する機会も少なくない。本研究では高齢者の咀嚼機能における『形態と機能の乖離』が、咀嚼筋量の減少と筋力低下、すなわち咀嚼筋のサルコペニアに拠るとの仮説を基に、咀嚼筋のサルコペニアと現在歯数、咀嚼機能および心身機能との関連をコホート研究にて検証する。さらに『形態と機能の乖離』を予測する咀嚼筋のサルコペニアの病態のしきい値を検討する予定である。
2020年度はさらなるコホートの拡大を図るべく、調査フィールドである岩手県花巻市大迫町の外川目地区において延べ5回、約120名の検診を予定していたが、2019年度と同様に新型コロナウイルス感染拡大のため全日程が中止となり、新規の検診データは得られなかった。
一方、2018年度までに収集した人口統計学的指標、医学検査データ、および口腔保健データ(残存歯数、歯周組織状態、口腔関連QOL、主観的咀嚼機能の調査、デンタルプレスケールを用いた咬合力検査、グミゼリーを用いたグルコース溶出法による咀嚼能率検査、細菌カウンタを用いた口腔内細菌数検査、口腔湿潤計ムーカスを用いた口腔湿潤度検査、およびJMS舌圧計を用いた舌圧測定など)は全て集計されデータベース化した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大により、検診を実施できなかったため。

今後の研究の推進方策

研究計画に変更はなく引き続き新たな対象者のリクルートと調査を実施しコホートの拡大を図るとともに、これまでのデータベースを基に解析を進める。
具体的には、2021年度は2019年度までと同様に、被験者の選択、歯科・医科学検査を継続し被験者の増員を図るとともに測定項目のデータベースを追加する。2021年度は5回の検診を予定しており、この検診に参加するおよそ120名の対象者に研究内容について説明を行い、同意を得られたものに対し、口腔内診査・咀嚼機能検査、要介護発生など調査を行う。さらに医科データとの関連を、多変量解析にて検討しその成果を国内外の学会にて発表する。
解析内容は①地域高齢者における歯列状態と最大咬合力、および主観的・客観的咀嚼能力との関連の横断解析、②咀嚼筋量と最大咬合力、および主観的・客観的咀嚼能力との関連の横断解析である。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により予定されていた調査検診の全日程が中止となったため、物品費、旅費、人件費・謝金の支出が執行されなかった。また国際学会、国内学会の相次ぐ中止、延期、Web開催により旅費や印刷費等が執行されなかったため次年度使用額が生じた。
生じた次年使用額は検診時の感染対策に係る物品費、人件費、通信費として使用するほか、解析ソフトのアップデートや機器のメインテナンス費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 25.Cognitive impairment and depressive symptoms lead to biases in self-evaluated masticatory performance among community-dwelling older Japanese adults: the Tsurugaya Project2020

    • 著者名/発表者名
      Takamasa Komiyama, Takashi Ohi, Takako Hiratsuka, Yoshitada Miyoshi, Yasutake Tomata, Shu Zhang, Ichiro Tsuji, Makoto Watanabe, Yoshinori Hattori.
    • 雑誌名

      Journal of Dentistry

      巻: 99 ページ: 103403

    • DOI

      10.1016/j.jdent.2020.103403

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 26.Verification of the criteria for reduced occlusal force to diagnose oral hypofunction in older Japanese people: A prospective cohort study on incident functional disability2020

    • 著者名/発表者名
      Takamasa Komiyama, Takashi Ohi, Yoshitada Miyoshi, Yasutake Tomata, Shu Zhang, Ichiro Tsuji, Makoto Watanabe, Yoshinori Hattori.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 47 ページ: 989-997

    • DOI

      10.1111/joor.13021

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 27.The Association between Number of Remaining Teeth and Maintenance of Successful Aging in Japanese Older People: A 9-Year Longitudinal Study2020

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Tanji, Takamasa Komiyama, Takashi Ohi, Yoshinori Hattori, Makoto Watanabe, Yukai Lu, Ichiro Tsuji.
    • 雑誌名

      Tohoku J Exp Med

      巻: 252 ページ: 245-252

    • DOI

      10.1620/tjem.252.245

    • 査読あり
  • [学会発表] 地域高齢者における現在歯数および最大咬合力と要介護認定との関連2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤和花菜,小宮山貴将,大井 孝,平塚貴子,山田 唱,服部佳功.
    • 学会等名
      日本老年歯科医学会第31回学術大会

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公開日: 2021-12-27  

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