研究課題/領域番号 |
18K09675
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 哲史 東北大学, 大学病院, 講師 (50400263)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 舌 / mfMRI |
研究実績の概要 |
前年度までに、被験者の頭頚部MR画像からテンプレート画像を独自に作製し、そのテンプレート画像に対して空間的標準化を行うことで解析精度を向上させる手法を開発すると共に、被験者毎に算出されたコントラスト画像を利用して、被検者間の空間的標準化と統計解析を行う手法を考案した。 今年度は、この解析方法を舌内部の筋活動分布解析に応用するために、舌運動を対象としたMR画像の撮像を多数行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の流行継続により、感染リスクの高い口腔内への舌圧測定装置の挿入を伴うMR画像の撮像をほとんど行うことが出来なかった。 そこで今年度は、MR装置内で使用する舌圧プローブと光ファイバー圧力センサーの接続構造について再検討を行った。過去に実績のある光ファイバー圧力センサーを応用した咬合力計では中空スプリントの内部に水を封入し、水圧を利用して測定を行っていたが、舌圧プローブでは密封した空気による気圧変化を測定する必要があり、これまでに使用してきたチューブや逆止弁では気体の漏れを防ぐことが出来ないことが判明した。逆止弁および接合部品の交換や、歯科用即時重合レジンの応用によって、気体を密封できる構造に変更した上で、フォースゲージを用いて外力と内部気圧との関係を解析した。その結果、舌圧プローブに対して外部から加えた力と光ファイバー圧力センサーによる内部気圧の測定値は、実用範囲内において線形性を示すことが確認され、舌圧も咬合力と同様にMR装置内での測定が可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、舌圧計を利用して舌運動を対象としたMR画像の撮像を多数行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の流行継続に伴い、感染リスクの高い口腔内への舌圧測定装置の挿入が困難となり、解析対象となるMR画像の撮像をほとんど行うことが出来なかった。解析対象である舌運動を対象としたMRI撮像が未実施であるため、本研究課題の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の流行状況に応じて適切な感染対策を行うとともに、感染者数の減少に合わせて集中的にMRI撮像を実施することで、可及的にリスクを低減した研究推進を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行継続により、感染リスクの高い口腔内への器具挿入を伴うMRI撮像を行うことが出来なかったため、撮像に関わる費用や、その後の解析およびデータバックアップに関わる費用などが不要となり、次年度使用額が発生した。次年度からは、本研究課題の目的である舌運動を対象としたMRI撮像と解析を再開するため、次年度使用額はMRI撮像に関連する機材の購入や、その後の解析やデータバックアップに関わる器材の購入にあてる予定である。
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