研究課題/領域番号 |
18K09684
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永尾 寛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (30227988)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フレイル / オーラルフレイル / 口腔機能低下 / 低栄養 / 食品多様性 |
研究実績の概要 |
本研究では、超高齢社会の我が国で社会的問題となっているフレイルを予防することを目的としている。食欲低下や食品多様性が低下する「栄養面のフレイル期」には食べこぼし・むせ・噛めない食品の増加などのオーラルフレイルが関与している。歯科的要因と低栄養、食品多様性との関連を調査することによって、オーラルフレイルの進行を抑制し、栄養状態を改善し、引いてはフレイルを改善・予防するための指導・リハビリテーションの指標を提示することを最終の目的とする。 研究実施計画では、2018、2019年度は、徳島大学病院歯科において、治療が終了しメンテナンスを行っている65歳以上の被験者80名に対して、身体社会的要因(基礎疾患、家族構成、居住地域など)、心理的要因(食に対する意識・意欲)、口腔の器質的・機能的要因と栄養状況、食品多様性との関連を調査することとした。またその後、100名をランダムに介入群と非介入群の2群に分け、介入群には3ヶ月毎の栄養指導、リハビリテーション指導を行う予定であった。 2018年度の予備実験から、調査に要する時間が予想以上に長く、高齢被験者に対して体力的な問題が発生する可能性が判明したため、質問項目を減らした。2019年度はこの要件で調査を行っていたが、被験者が高齢であるため調査時間を短縮が難しく、被験者のドロップアウト率が大きかったため、機能的要因の調査項目も削除することとして、新たなプロトコールで測定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度の予備実験から質問用紙の効率化と時間の短縮を行い、2019年度はこの要件で調査を行っていた。しかし、被験者が高齢であるため調査時間を短縮が難しく、日を改めて行うも、被験者のドロップアウト率が大きかった。したがって、質問項目だけでなく機能的要因の調査項目(細菌カウンタ、開口力、頬圧)を削除することとして、新たに測定を開始した。現在、10名の調査を終えたところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究協力者とともに大学病院の教員に研究協力を依頼し、精力的に被験者を集め、2020年度には目標の80名の測定を終える。この結果から、低栄養・食品多様性低下と関連する要因の検討(ロジスティック回帰分析)を行い、低栄養・食品多様性低下を予防・改善するための栄養・食事指導、簡便で効果的なリハビリテーションを決定する。 次に実験Ⅱとして、栄養指導、リハビリテーションが栄養の改善に及ぼす影響を検討するための介入実験を行う。被験者80名をランダムに2群(介入群、非介入群)に分け、3ヶ月毎の栄養指導、リハビリテーション指導を行い、実験開始日、開始後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月における介入群と非介入群の栄養状態、食品多様性の変化を比較・検討する。この結果から、栄養指導、リハビリテーションの有効性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定より遅れており、2018年度(前年度より繰越金あり)、2019年度合わせて被験者に支払う謝金(約500,000円)、実験に使用する消耗品(約400,000円)ならびに実験補助のための人件費(約200,000円)も消費されなかったため、翌年度へ繰り越されることとなった。COVID-19による実験への影響は計り知れないが、可能な限り被験者数を増やし、当初の計画に近づける。
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