研究課題/領域番号 |
18K09688
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
槙原 絵理 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (30433402)
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研究分担者 |
宮嶋 隆一郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30773379)
鱒見 進一 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70181659)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 閉塞型睡眠時無呼吸 / 口腔内装置 / 装着感 / 睡眠状態 / 治療顎位 |
研究実績の概要 |
本研究では,閉塞型睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)患者にとって使用継続しやすい口腔内装置(oral appliance: OA)の開発を行うことを目的に,OSA患者にとって受け入れられやすいOAの材質の検討と,副作用が最小限かつ治療効果が得られる治療顎位の検討を行うことを企画している. 1.九州歯科大学附属病院義歯科にてOA治療を受けた成人OSA患者のうち,本研究の内容について説明を行い,同意書への署名が得られた女性5名(66.6±10.67歳)を被験者とした.通報に従ってOA製作後調整を行い,装着前後のエプワース眠気尺度(Epworth sleepiness scale: ESS)およびPSG検査結果を参考に最終的な治療顎位を決定した.つぎにハードタイプおよびソフトタイプの2種の実験用OAを同様の形態で製作した.なお,2種の実験用OAの使用順序はランダムとし,それぞれの実験用OA装着後,装着感および睡眠状態の観察を行った.なお,本研究は九州歯科大学研究倫理委員会の承認のもとに行われた(承認番号15-9-通常). 術前後の検査結果よりいずれも良好な治療効果が得られていることがわかった.5名中4名がソフトタイプを継続して使用したいと回答した.1名は睡眠データの記録ができず,睡眠データの結果と使用を継続したいOAのタイプが一致したのは3名であった. ハードタイプと比較してソフトタイプの方が装着しやすく,歯に対する負担も少なかった反面,着脱をくり返すことで装置自体の維持力が低下し,ゆるく感じたと思われる.現時点では被験者数が少ないが,2種類の実験用口腔内装置の特徴を把握するために被験者数を増やし,OA装着前後の睡眠データを集積する所存である. 2.最適な治療顎位の検討についてはこれから被験者を募集し研究をスタートさせる予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.異なる素材による口腔内装置の比較検討に関する研究はスタートしており,少しずつであるが被験者を獲得しているところである. 2.口腔内装置に対する治療顎位の検討に関する研究は本大学倫理委員会への審査書類を提出し,承認後すぐに研究が始められるよう準備を整えているところである.
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今後の研究の推進方策 |
1.異なる素材による口腔内装置の比較検討に関する研究について,現在5名の被験者からデータを集めることができた.現段階における結果について 18th Biennial Meeting of the International College of Prosthodonticsにて発表する予定である. 2.口腔内装置に対する治療顎位の検討に関する研究について,倫理委員会からの承認後直ちに研究を開始し,その成果を国内および国際学会にて発表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者が少なく必要な睡眠中の睡眠データの解析費用等が少なかったことが原因と考えられる. 次年度は被験者を募り,睡眠データの解析を積極的に行うとともに国際学会での発表を行う.
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