研究課題/領域番号 |
18K09692
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
平井 健太郎 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10805394)
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研究分担者 |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
井川 知子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70552389)
木原 琢也 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50796399)
佐々木 圭太 鶴見大学, 歯学部, 助教 (60582343)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 咬耗 / 磨耗 / 有限要素解析 |
研究実績の概要 |
歯科材料の特性を調べるための破折試験や磨耗試験は報告が見られるが、患者個別の咀嚼運動やパラファンクションによって歯や補綴装置に生じるオーバーロード、歯列咬合面の磨耗を解析し、個々の患者の補綴装置設計や製作に反映させるには至っていない。本研究では、補綴装置の短期的な破折や摩耗を防ぎ、生体で長期的に機能する補綴装置の設計・製作を目指し、3次元歯列データと咀嚼やパラファンクション時の咬合データを仮想空間上に再現し、個体別の破折・磨耗シミュレーションシステムを構築する。 平成30年度は、咬合データと3次元歯列形態データの統合による有限要素解析モデルの作成を行うため、仮想空間上での咬合データと3次元歯列形態データの統合を可能とし、その精度について評価を行った。咬合力計測にはT-ScanⅢを使用したが出力される数値は単位がないため、一定荷重を負荷できる機器を用いてキャリブレーションを行った。また、T-ScanⅢの咬合力分布は歯列形態が反映されていないため、統合方法としては、T-ScanⅢの感圧シート上に咬合採得用材料を流し込み、歯列形態の印象を同時に採得することにより、咬合力・咬合接触と歯列形態との位置関係を合わせることとした。応力状態を解析可能なソフトウェアがあるにも関わらず、補綴装置の形態や材料選択などの臨床応用にまで至っていない理由は、有限要素解析のモデル作成、条件設定が困難であることに起因すると考えており、本年度の研究により荷重条件を満たす有限要素解析モデルが作成可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度では咬合データと3次元歯列形態データの統合の検討を行ったが、T-ScanⅢの特性についての解明に苦慮したため、当初の予定より少し遅れている。次年度以降に予定している歯列形態を再現した破折・磨耗試験装置の開発の予備研究を現在進捗させている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は歯列形態を再現した破折・磨耗試験装置の開発と種々の歯科材料を用いた磨耗試験、さらには有限要素モデルの確実な生成方法の確立を行う研究を進めていく予定である。また、咬合によって歯冠に生じる応力やひずみが磨耗に与える影響と有限要素法を用いた磨耗現象の再現方法を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた物品を次年度購入することになり、当該未使用額が生じた。次年度早期に購入を予定している。
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