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2018 年度 実施状況報告書

高強度3Dプリンティング義歯材料の開発応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K09693
研究機関鶴見大学

研究代表者

新保 秀仁  鶴見大学, 歯学部, 助教 (40514401)

研究分担者 大久保 力廣  鶴見大学, 歯学部, 教授 (10223760)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード3Dプリンタ / UV硬化型レジン / 造形方向 / 適合性
研究実績の概要

目的;3Dプリンティングは重合収縮等の影響により,ミリング加工と比較して適合精度が劣ることが確認されている.そこで,最も高精度な製作方法を確立することを目的に,サポートの位置が適合精度に及ぼす影響について検証を行なった.
材料と方法:3Dプリンタ用レジンにはUV硬化型レジン(DENTCA DENTURE BASEⅡ Original pink)を使用し,出力にはSLA方式である 3Dプリンター(Zenith)を使用した.無歯顎模型をスキャンしたSTLデータをCADに読み込み,基礎床とサポートのデザインおよびSTLデータ化した後,ピッチ50μmでプリントした.造形条件はサポートを粘膜面に付与し,基礎床を床と平行に設定,これを0°とし,そこから,45°ずつ角度をつけ配置角度を設定した.角度は0°から315°までとし,0°45°315°を粘膜面のサポートが付与.135°180°225°が研磨面にサポートが付与され,90°270°は垂直になるため粘膜面と研磨面ともにサポートが付与される様にデザインを行なった.造形後はサポートを除去し,IPA (イソプロピルアルコール)中に浸漬し研磨面と粘膜面ともに5分ずつ超音波洗浄,60度のグリセリンに浸漬し,粘膜面と研磨面ともに15分間CUREを行い完成とした.完成した基礎床はラボスキャナーを用いてデータ化し,Geomagic design Xを用いて適合性の差分を算出し,評価を行なった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

他社の3Dプリント用レジンを使用する場合,オープンモードによって出力するが,レジンの色調によってパラメーターを変更する必要がある.そこで使用する色調による精度を検証した.使用するレジンの色調が濃くなるにつれて適合性が不適になることが明らかとなった.
(クリア<ホワイト<ピング<ブラック)
サポートピンの位置による影響(造形角度による影響)では45°と225°が最も適合性が高く,0°,180°と比較して有意良好な結果を示した.出力時間は造形方向が垂直になるにつれて長くなる傾向を示した.

今後の研究の推進方策

超臨界水熱合成法で開発されたジルコニアナノ粒子(Zirconeo)は10nm以下のジルコニア粒子が分散した液体であり,3Dプリント材料にも可能であったが,ジルコニア粒子の統一性を確立することが困難であった.溶媒の濃度を変化させることによって,可能になったため,今年度より以下の研究を行う.
1.3点曲げ試験:1, 3, 5, 10, 15, 20%ジルコニアナノ粒子分散液を加えた(From 2)3Dプリンティング床用レジン(DENTCA base resin)光照射型3Dプリンター(From 2)にて10.0×10.0×2.5 mmの短冊試料を出力し,試料の測定は三点曲げ試験を行い,比例限最大荷重を算出する.なお各条件につき5個ずつ製作し,平均値を値とする.
2.ビッカース硬さ:2.0×2.0×2.0 mmに出力された試料をマイクロビッカース硬さ試験機(Hardness Tester MVK-E)を用いて,同一試料にて,荷重量100 gf,荷重時間30 secにてビッカース硬さの測定を行う.各試料につき,5カ所測定して平均値を求める.なお,試料を包埋し,表面から800 umまでの断面試料にて計測を行う.

次年度使用額が生じた理由

予備実験として行う予定であった,新規レジン材料の開発に時間がかかった.具体的にはジルコニア粒子の統一性を検証していたが,一律にすることが困難であった.溶剤であるアルコール系溶液の濃度を変更することによって可能となった.去年度にて新規レジンを完成し,理工学的性質検証を行う予定であったが,研究の遂行がやや遅れたため,3Dプリント用レジンの購入量が少なかったことが原因と考えられる.

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公開日: 2019-12-27  

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