研究課題
本研究の目的は、従来行われてきた筋電図による筋活動の評価のみならず、非侵襲的に筋酸素化動態を測定可能な近赤外線組織酸素モニタ装置を用いて、筋活動中、回復期の咬筋酸素化動態を検討することにある。本年度は、主要な物品として赤外線サーモグラフィーを購入した。記録・解析のために使用するソフトウェアを用いて携帯型筋電図(現有)記録との同期について最適化を進めた。またNIRSは遮光が重要であるために咀嚼筋への固定方法についての検討を行っている。なるべくNIRSの近傍に筋電図を貼付するためにシリコン製のアタッチメントと比較的薄手の両面粘着テープを使用することで測定安定性は改善している。ハードウェアの調整・同期、測定・解析ソフトウェアのセットアップ等最適化を図るとともに、被験者選択用プロトコール、顎顔面痛診断プロトコールならびに測定ダイアリーを作成した。また精神状態を把握するための質問票も作成した。生体信号の測定・解析のデモを行った。予備実験として、3名の研究協力者に対して磁気式体位測定を含む短時間の負荷試験を行うとともに、安全性を含め問題点を洗い出し、改善を行った。その他の生体信号として血糖値や血圧に関してもウェアラブル端末を使用した測定の可能性を検討している。一方、生命倫理・安全対策として、臨床研究倫理委員会に対して臨床研究の申請を行い、認可を得た。長時間の測定だけではなく、短時間の負荷試験が行えるよう新たな臨床研究の申請を行う予定である。被験者を徳島大学の職員、学生より募集している。本年度は、目標としていた5名の測定は達成できず、予備測定ならびにデモンストレーションに終わった。測定環境の整備はほぼ完了しており、速やかに測定を遂行する予定である。
3: やや遅れている
購入した脳NIRSの機能のない多チャンネル組織酸素計の使用方法について検討を重ねている。センサーの取り付け方法に関しては、遮光を十分にするためシリコン製の遮光アタッチメントと生体計測用の両面テープを使用することとした。センサー面積が大きいため、表面筋電図を同側に貼付するには困難があるため反対側への貼付を検討している。現在、研究分担者の協力により実験系の最適化を進めている。また赤外線サーモグラフィーの応用も検討している。場合によっては、長期間の持続的 な測定にかわって比較的短期間の負荷試験を検討する必要がある。本年度は、目標としていた5名の測定は達成できず、3名に対して磁気式体位測定を含む予備測定ならびにデモンストレーションを実施した。その他の生体信号として血糖値や血圧に関してもウェアラブル端末を使用した測定の可能性を検討している。測定環境の整備はほぼ完了しており、速やかに測定を遂行する予定である。
測定システムの整備はほぼ終わっているが、測定方法の整理と最適化を進めていく。解析についても省時間化と簡略化について検討を進めていく。長時間の測定に関しては臨床研究倫理委員会の認可、必要書類の作成は完成している。短時間の負荷実験に関しての臨床研究倫理委員会の申請を進める。実験系についての検討を進めて行く。今後の測定のため被験者の公募をはじめる。実験系が確立され次第測定ならびに解析を行う。年間5名を目標としている。被験者の募集と選択は常に続ける必要がある。
測定・解析システムはほぼ準備が整っているものの、研究協力者への測定開始が少し遅れているため、消耗品等の物品の購入ならびに謝金の執行が予定よりも少ないものとなった。翌年度分として請求した研究費と合わせ、今後測定を進めていくうえで必要な消耗品費、謝金として使用する予定である。
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