| 研究課題/領域番号 |
18K09704
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| 研究機関 | 鹿児島大学 |
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研究代表者 |
南 弘之 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50244257)
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| 研究分担者 |
村原 貞昭 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (80404490)
梶原 雄太郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50773024)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 支台築造 / マトリックスレジン / 多官能性モノマー |
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| 研究実績の概要 |
コンポジットレジンのマトリックスレジンに使用可能と予想される，２官能から４官能程度のモノマーを用いたレジンの単体を用いた被着体試料を試作する。全ての被着体試料は光重合型とし，試料作製には本計画で購入予定の光重合器を使用する。これらに対するレジンセメントの接着強さ，それらの耐久試験後の変化を明らかにする．モノマーの中で，粘度が高く，そのままでは操作性が悪いものについては，希釈材としての他のモノマーを混和することを検討する．その上で，改めて接着強さの評価を行う．この時点での接着強さの評価は，試作資料の被着面をできるだけ滑沢に研磨して機械的嵌合の要素を排除して，化学的接着に的を絞った評価を行う．
支台築造用コンポジットレジンに用いられる頻度の高い，UDMA単体試料，TEGDMA単体試料および，マトリックスレジンに多く用いられていると思われる配合比UDMA：TEGDMA＝7：3の試料を標準試料とする．
UDMAを基準としたバリエーションとして，配合比UDMA：TEGDMA＝5：5のもの，TEGDMAに代わる新採用の希釈材として2種類のモノマーを用いたUDMA：希釈材＝7：3のもの，の4種類を作製した。基材のUDMAに代わるものとして，Bis-GMAまたは新採用の基材用モノマーを希釈材にはTEGDMAを使用して，配合比を基材：TEGDMA＝7：3とした2修理を加えた．さらに，３官能ならびに６官能のモノマーを使用した2種類を加え，合計10種類のマトリックスレジンを試作し，これらを被着体として用いる．
今期は，被着体とする試作マトリックスレジンの製作を行った．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は，接着試験の製作を終えて，耐久試験を開始するところまでは進めたかったが，予定通りに進めることができなかった．最も時間と労力のかかる10種類の被着体のマトリックスレジンの製作が終了した状況である．予定に比較して研究の進行は遅れている．
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| 今後の研究の推進方策 |
今期は，各被着体レジンに対する装着用レジンセメントの接着強さの評価を行う．
この時点での接着強さの評価は，試作資料の被着面をできるだけ滑沢に研磨して機械的嵌合の要素を排除して，化学的接着に的を絞った評価を行う．接着性レジンセメンとしては，多くの市販品の中から，化学重合型のMMA-TBBOレジンと，デュアルキュア型のコンポジット系の中から１種類を選択する．接着強さは剪断試験によって評価し，接着試験片は，各被着体試料にアクリル製荷重ハンドルを接着することによって作製する．
接着試験片製作直後には良好に接着していると思われるため，接着強さの測定は，耐久試験として熱サイクル試験を施した後に，接着強さの比較を行う．熱サイクル試験機は，分野に保有する装置の中で，投げ込み式冷却装置を本計画の予算で更新して再構成する。その結果を基に，接着に有利なモノマーと，接着には不向きなモノマーを明らかにし，マトリックスを構成するレジンモノマーを選定する．
接着強さを評価したのちに，被着体レジン表面の接着処理が可能か否かを検討する．アルミナブラストをはじめ，溶剤やボンディング材などを試みるが，最終的には口腔内での使用を目標に，表面処理に利用できる器具，材料，方法などを見出す．並行して，棒状の試験片を用いて，曲げ試験により強度や弾性率などの物性を明らかにし，対照群との比較を行う．
最終的に，決定された配合比のマトリックスレジンに，シリカ系のフィラーを混和し，コンポジットレジン化する．これを用いて被着体試料を作製し，レジンセメントとの接着強さを熱サイクル試験の前後で検討するとともに，棒状の試験片を用いて曲げ強さ，弾性率などの物性を調べ，従来の築造用コンポジットレジンと比較する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
今年度は試作樹脂試料作成のための材料選定に時間を要してしまい，研究の進行に遅れを生じた。今年度の終盤にモノマーの選定とレジン試料の第一段階の試作が実現し，研究が本格化したところである。レジン試料の作製には，協力を得ているメーカーの研究室の器材が利用可能であったため，物品費の支出が少なくなった。次年度は，現有する熱サイクル試験機を構成する恒温器と投げ込み型冷却器を更新する必要が生じているため，速やかに支出する予定である。また，現在の第一段階のデータが得られたところで，新たなレジン試料の試作が必要となったため，材料費とともに協力施設へ出向く旅費の支出も発生する予定である。
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