研究課題
現在の歯科治療には,患者からの審美面に対する要求や金属アレルギーに対する問題から,ジルコニアをはじめとしたオールセラミック修復が広く用いられている.一般的に使用される部分床義歯のクラスプは,審美性に劣り,金属アレルギーの場合には使用できないことから,レジンコーティング法やノンクラスプ義歯等の様々な材料や工夫が検討されているが不明確な部分が多い。申請者はこれまでナノジルコニアを使用した新規義歯材料の開発に携わってきた。近年、機能性と審美性を兼ね備えた材料としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が登場した。本申請研究は高性能ポリマーであるPEEKを利用し、今までにない軽量で金属アレルギーの少ない義歯の製作に取り組むことを目的とする。既成の金属クラスプ材料として使用されるコバルトクロム合金,金銀パラジウム合金,3級金合金、ポリエーテル樹脂および本実験に使用するPEEK材料の厚みを変化させ,3点曲げ強度を調べることで義歯のクラスプとして十分な維持力を発揮できる条件を策定する.なお,本実験に使用する材料は長さ15mmと設定し,厚みを複数にわける.それぞれ試料は各4検体とし,万能試験機を利用して,3点曲げ試験を行う.
2: おおむね順調に進展している
PEEK材料の3点曲げ試験によりクラスプ材料に適正な条件を策定できたため
実際の患者様の模型を使用し、PEEK材料を使用したクラスプを作成してみる。なお、技工は和田精密株式会社に委託予定である。
実験試料の発注を年度末に行い、納品が次年度になったため
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Journal of Japan Association Oral Rehabilitation
巻: 31(1) ページ: 11-22