研究課題/領域番号 |
18K09714
|
研究機関 | 明倫短期大学 |
研究代表者 |
木暮 ミカ 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 教授 (10300104)
|
研究分担者 |
伊藤 圭一 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 講師 (60389955) [辞退]
高橋 英和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90175430)
宮崎 秀夫 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 教授 (00157629)
飛田 滋 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (90323980)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | AR / 拡張現実 / スマートフォン用アプリケーション / 立体教材 / 歯形彫刻 / Xcode / ARkit / Unity |
研究実績の概要 |
前年度において我々は、空間認識力を向上させるために,自習到達目標を重畳表示することで実空間に自分の成果物と目標物との差分を三次元的に目視確認できる「ARによる実践的トレーニング支援アプリケーション」を開発した。 今年度は空間認識力の評価基準として最も広く用いられている仮想切断面実形視(Mental Cutting Test以下MCT)を用いて歯牙を用いた独自の修正空間認識力テストを作り、これをを2D表示した場合と本アプリケーションにより3Dで表示したものを比較することで、本アプリによる学習支援手法の有効性を検証した。MCTは量判別問題とパターン判別問題との2種類で構成されており、前者は図から三次元立体のイメージを生成する能力を評価するもの、後者は歯の構造的特徴による分析的思考能力を評価するものと考えられている。対象は明倫短期大学の本科1年生43名(歯科技工士学科15名、歯科衛生士学科28名)とし、通常のMCTを実施後、ARにより任意の方向から立体視できるMCTを実施、両者の正答率を比較した。その結果、ARによるMCTの平均は70.5±12.4であり、通常のMCTの平均(55.0±14.3)よりも有意に高かった(p < 0.05)。グループ間で有意差が見られたことより、本法を使って訓練することは歯科用CAD/CAMのオブジェクト操作と空間認識力の向上、そして生産性の向上に寄与できることが示唆された。 (本研究は日本歯科技工学会第41回学術大会において「最優秀ポスター賞」を受賞した)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ARアプリの開発および公開は実行できているが,自動評価システムの構築が難航しているため,実習成果物を撮影し,画像を加工して輪郭線を自動抽出後,見本と照合し特徴量を計算して自動評価するという機能が実装できていない.
|
今後の研究の推進方策 |
2020年6月22日付でapple社のARアプリケーション開発用フレーム「ARkit4」が公開されたことより,より現実感を持って訓練できるアプリを開発することが可能となった.しかしアプリ開発環境の変更に伴い,自動評価システムの開発には予算を大幅に上回る経費が必要になったため,計画の見直しをせざるを得なくなった.そこでゲームエンジン「Unity」とオープンソースのプログラミングコードを用いて形態分析機能を別途開発し,これをARアプリと連動させることで自動評価可能なアプリを構築する. その後,開発した評価アプリの有用性を本学および東京医科歯科大学に在学する学生に試用してもらい、問題点を改善していく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会参加に伴う航空チケットが予定より安価であったため。
|