研究実績の概要 |
口腔扁平上皮癌細胞株のマウス腫瘍移植モデルにおける,カテキンの一種であるEpigallocattechin-3-gallate: EGCGの腫瘍増殖抑制効果と,それに加えて抗VEGF抗体製剤であるアバスチンの相乗効果を検討した.口腔扁平上皮癌の細胞株であるHSC2,HSC-3,HSC-4のうち最も低分化とされるHSC-3を,担体となる物質と混和した上でヌードマウスの背部に移植し(200万個),コントロール群,EGCG投与群,アバスチン投与群,EGCG+アバスチン投与群に分けた.カテキンは腹腔内への投与経路を選択し,アバスチンは腫瘍周囲の皮下注での投与経路を選択した.週一回腫瘍のサイズを確認し,1か月後にマウスから癌組織を取り出し,4%PFAで固定後,パラフィン切片を作製した.HEと免疫組織化学的染色を行い,EGCGを投与した効果について生化学的・組織学的に検討した.EGCGを1.5mg/bodyを週2回で腹腔内投与した場合には,腫瘍体積の評価において腫瘍細胞の増殖は有意に抑制され,アバスチンの投与はさらに相乗的に抑制を示した.また,細胞分裂について MIB-1を用いて調べ,またTUNEL染色にて腫瘍のアポトーシスを評価した.今後免疫染色にVEGF受容体の発現およびリン酸化,下流のシグナル分子について評価する予定である.
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