今後の研究の推進方策 |
平成30年度の成果を踏まえて本研究の(A)骨修飾薬がT細胞に与える影響の解明、(B)骨修飾薬がT細胞以外の血球系細胞に与える影響の解明、(C)T細胞の活性化とそれによる骨の構造変化の解明、 (D)MRONJマウスを用いた骨壊死部の治療に関する研究 および(E)ラマン分光顕微鏡など新規手法による正常骨およびMRONJの骨質解析および発症前診断に関する研究それぞれを発展させていく。 前述のように、(A) (B) および(E)に進捗を認めたことより、これらを踏まえ(C)T細胞の活性化とそれによる骨の構造変化の解明を進めていく。このため平成31年度(令和元年度)にはまずT細胞欠如マウス、T細胞およびB細胞欠如マウスに骨修飾薬の投与を行い、血球系細胞に与えるこれら骨修飾薬の影響をFACSにて解明する。方法:T細胞欠如マウスとしてはNudeマウスを、T細胞およびB細胞欠如マウスとしてはScidマウスを用いる。コントロールとしてはBALB/cマウスを用いる。それぞれの群を卵巣摘出群(OVX群)、無処置群の二分け(Nude-OVX, Nude-normal, Scid-OVX, Scid-normal, BALB/c-OVX, BALB/c-normal 計6群)、それぞれにビスフォスフォネート、テリパラチド、カテプシンKインヒビターを4週投与する。骨評価は、HE,マイクロCTに加えてラマン分光顕微鏡による骨質解析をおこなう。血球系の細胞の変動については、末梢血、脾臓、胸腺を摘出し、anti-CD4, anti-CD8, anti-CD45, anti-CD3, anti-CD19, anti-CD49抗体によるFACSをおこない解析を行う。 また次年度以降については、(D)MRONJマウスを用いた骨壊死部の治療に関する研究を、モデルマウスを作成して遂行していく予定である。
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