無血清培養系における口腔癌患者由来活性化リンパ球からのiPS細胞の樹立と治療応用

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18K09723
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 山崎 佐知子 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (00632001)
• 研究分担者: 岡本 哲治 東亜大学, その他の研究科, 教授 (00169153) ; 濱田 充子 広島大学, 病院(歯), 助教 (30760318)
• 研究期間 (年度): 2019-03-01 – 2023-03-31
• キーワード: 細胞培養 / 幹細胞 / 口腔癌 / リンパ球

研究実績の概要

本研究では口腔癌患者由来細胞から無血清培地を用いてフィーダー細胞を使用せずiPS細胞を樹立・維持し、完全無血清培養系での癌細胞に対する細胞障害活性の高い活性化リンパ球誘導・増殖させ、口腔癌治療の免疫細胞治療への応用を目指すことを目的とし、以下のとおり実施した。
1.インテグレーションフリー・無フィーダー・無血清培養条件下で誘導した末梢血単核細胞（PBMC）由来hiPS細胞の未分化性の評価：樹立したPBMC由来hiPS細胞の各クローンにおける未分化マーカー遺伝子および蛋白発現をRT-PCR法および免疫染色法にて検討した。樹立した、核型異常は認めなかった。
2. PBMC由来hiPS細胞の分化多能性の評価：PBMC由来hiPS細胞各クローンにおける分化多能性をin vitroおよびin vivoにて評価した。樹立したhiPS細胞は三胚葉への多分化能を有していた。
3. PBMC由来hiPSCの活性化リンパ球への分化誘導法の検討：PBMC由来hiPSCから胚様体形成法を用いフィーダー細胞フリー無血清培養系でCD34(+)CD45(+)造血前駆細胞を分化誘導した。誘導した細胞をFACSにてselectionし、造血前駆細胞誘導時のサイトカイン至適添加濃度を見出した。また、誘導した細胞から活性化リンパ球への分化誘導を行った。
4．hiPSC由来活性化リンパ球の細胞障害活性の検討：分化誘導された活性化リンパ球の細胞傷害活性についてin vivoおよびin vitroでの評価を行い、特性解析を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Identification of a familial cleidocranial dysplasia with a novel RUNX2 mutation and establishment of patient-derived induced pluripotent stem cells (2022)
  • 著者名/発表者名: Hamada A, Mukasa H, Taguchi Y, Akagi E, Obayashi F, Yamasaki S, Kanda T, Koizumi K, Toratani S, Okamoto T.
  • 雑誌名: Odontology 巻: 110(3) ページ: 444-451
  • DOI: 10.1007/s10266-021-00674-5
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] A rare case of pleomorphic adenoma originating at the tip of palatine uvula (2022)
  • 著者名/発表者名: Obayashi F, Yamasaki S, Ito N, Toratani S.
  • 雑誌名: Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology 巻: 34(6) ページ: 784-787
  • DOI: 10.1016/j.ajoms.2022.06.002
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Two cases of temporomandibular synovial chondromatosis associated with Gli1 gene mutation (2022)
  • 著者名/発表者名: Fukutani T, Toratani S, Kanda T, Matsui K, Yamasaki S, Sumi K, Ogawa I, Yanamoto S.
  • 雑誌名: Int J Environ Res Public Health 巻: 19(8) ページ: 4702
  • DOI: 10.3390/ijerph19084702
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Identification of a Cowden syndrome patient with a novel PTEN mutation and establishment of patient derived induced pluripotent stem cells. (2022)
  • 著者名/発表者名: Obayashi F, Hamada A, Yamasaki S, Kanda T, Toratani S, Okamoto T
  • 雑誌名: In Vitro Cell Dev Biol Anim 巻: 58(1) ページ: 69-78
  • DOI: 10.1007/s11626-021-00637-8
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] カテコラミン誘発性多形性心室頻拍を有する患者の智 歯抜歯経験 (2023)
  • 著者名/発表者名: 吉岡 幸男,山崎佐知子,大植 香菜、伊藤奈七子,柳本 惣市
  • 学会等名: 第32回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会
• [学会発表] 重症大動脈弁狭窄症を有する上顎歯肉癌患者に対して 経カテーテル的大動脈弁留置術を先行して上顎亜全摘 術を施行した 1 例 (2023)
  • 著者名/発表者名: 檜垣 美雷，吉岡 幸男，三島 健史 伊藤奈七子，大林 史誠，山崎佐知子 小泉 浩一，柳本 惣市
  • 学会等名: 第32回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会
• [学会発表] Research about the circulating tumor cells and circulating cell-free DNA in blood of oral squamous cell carcinoma (2023)
  • 著者名/発表者名: Natsuki Eboshida, Atsuko Hamada, Tamamo Matsuyama, Kento Okamoto, Hideaki Takahashi, Takeshi Mishima, Taeko Fukutani, Fumitaka Obayashi, Yuki Taguchi, Naohiro Kimura, Nanako Ito, Mirai Higaki, Sachiko Yamasaki, Tomoaki Hamana, Koichi Koizumi, Yukio Yoshioka, Ryoji Tani, Yasutaka Hayashido, Souichi Yanamoto
  • 学会等名: 第35回台湾口腔顎顔面外科学会学術大会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移の節外浸潤進展度の臨床的意義に関する検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 檜垣美雷，安藤俊範，吉岡幸男，小泉浩一，浜名智昭，山崎佐知子，濱田充子，伊藤奈七子，木村直大，田口有紀，大林史誠，福谷多恵子，岡本健人，烏帽子田夏希，松山たまも，柳本惣市
  • 学会等名: 第46回日本頭頸部癌学会
• [学会発表] 当科における高齢口腔扁平上皮癌患者の臨床的統計 (2022)
  • 著者名/発表者名: 濱田充子，小泉浩一，大林史誠，伊藤奈七子，檜垣美雷，山崎佐知子，浜名智昭，吉岡幸男，谷亮治，柳本惣市
  • 学会等名: 第67回日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] ニボルマブ後にセツキシマブ＋パクリタキセル療法が奏効した頭蓋底浸潤した口唇癌症例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 山崎佐知子，谷亮治，虎谷茂昭，柳本惣市
  • 学会等名: 第67回日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] cT1-2N0舌癌の後発リンパ節転移症例の臨床的検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大林史誠、小泉浩一、檜垣美雷、伊藤奈七子、濱田充子、山崎佐知子、浜名智昭、吉岡幸男、谷亮治、柳本惣市
  • 学会等名: 第67回日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移の節外浸潤進展度の臨床的意義に関する検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 檜垣美雷，小泉浩一，安藤俊範，谷亮治，吉岡幸男，浜名智昭，山崎佐知子，濱田充子，伊藤奈七子，木村直大，田口有紀，大林史誠，福谷多恵子，岡本健人，烏帽子田夏希，松山たまも，柳本惣市
  • 学会等名: 第67回日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] CAD/CAMを用いたカスタムメイドプレートによる下顎再建の有用性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 福谷多恵子、浜名智昭、吉岡幸男、伊藤奈七子、松山たまも、烏帽子田夏希、岡本健人、高橋秀明、三島健史、大林史誠、田口有紀、木村直大、檜垣美雷、濱田充子、山崎佐知子、角 健作、小泉浩一 、谷亮治、林堂安貴、永松将吾、佐々木彩乃、藤岡弓朗、藤田明日香、光嶋勲、柳本惣市
  • 学会等名: 第61回広島県歯科医学会併催 第106回広島大学歯学会例会
• [学会発表] 広島大学病院 顎・口腔外科を受診した口腔癌患者の動向調査および症例検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 烏帽子田夏希、小泉浩一、谷川朝光、松山たまも、岡本健人、高橋秀明、三島健史、福谷多恵子、大林史誠、田口有紀、木村直大、伊藤奈七子、檜垣美雷、濱田充子、山崎佐知子、浜名智昭、吉岡幸男、谷亮治、林堂安貴、柳本惣市
  • 学会等名: 第61回広島県歯科医学会併催 第106回広島大学歯学会例会
• [学会発表] 広島大学病院 顎・口腔外科における高齢口腔扁平上皮癌患者の臨床的統計 (2022)
  • 著者名/発表者名: 濱田充子、小泉浩一、川原 萌、福谷多恵子、山崎佐知子、烏帽子田夏希、松山たまも、岡本健人、高橋秀明、三島健史、大林史誠、田口有紀、木村直大、伊藤奈七子、檜垣美雷、浜名智昭、吉岡幸男、谷亮治、林堂安貴、柳本惣市
  • 学会等名: 第61回広島県歯科医学会併催 第106回広島大学歯学会例会
• [学会発表] 広島大学病院 顎・口腔外科におけるcT1-2N0舌癌後発リンパ節転移症例の臨床的検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大林史誠、小泉浩一、烏帽子田夏希、松山たまも、岡本健人、高橋秀明、三島健史、福谷多恵子、田口有紀、木村直大、伊藤奈七子、檜垣美雷、濱田充子、山崎佐知子、浜名智昭、吉岡幸男、谷亮治、林堂安貴、柳本惣市
  • 学会等名: 第61回広島県歯科医学会併催 第106回広島大学歯学会例会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌における頸部リンパ節転移の節外浸潤進達度と予後との関連性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 檜垣美雷, 小泉浩一, 國原颯斗, 安藤俊範, 濱田充子, 伊藤奈七子, 大林史誠，烏帽子田夏希, 松山たまも, 岡本健人, 高橋秀明, 三島健史, 福谷多恵子, 田口有紀, 木村直大, 山崎佐知子, 浜名智昭, 吉岡幸男, 谷亮治, 林堂安貴, 柳本惣市
  • 学会等名: 第61回広島県歯科医学会併催 第106回広島大学歯学会例会
• [学会発表] 顎口腔再建におけるVirtual surgical planningによる下顎再建の有用性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 浜名智昭，吉岡幸男，伊藤奈七子，福谷多恵子，松山たまも，烏帽子田夏希，岡本健人，高橋秀明，三島健史，大林史誠，田口有紀，木村直大，檜垣美雷，濱田充子，山崎佐知子，角 健作，小泉浩一，谷 亮治，林堂安貴，永松将吾，佐々木彩乃，藤岡弓朗，藤田明日香，光嶋 勲，柳本惣市
  • 学会等名: 第116回 広島がん治療研究会
• [学会発表] 全身麻酔下にて上顎嚢胞摘出術を施行した糖原病１a患児の一例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大林史誠 谷亮治 檜垣美雷 濱田充子 山崎佐知子 伊藤奈七子 柳本惣市
  • 学会等名: 第69回NPO法人日本口腔科学会中国四国地方部会
• [学会発表] 超高齢者社会の口腔癌治療の現状 WS2-2手術（切除）療法ワーキンググループ報告 (2022)
  • 著者名/発表者名: 柳本 惣市、 山川 延宏、 山田 慎一 、長谷川 巧実、武田 大介、 鈴木 崇嗣、松山 たまも、 大林 史誠、 山崎 佐知子、福谷 多恵子、青木 隆
  • 学会等名: 第41回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
• [学会発表] 副神経と頸神経の温存術式について (2022)
  • 著者名/発表者名: 小泉 浩一、烏帽子田 夏希、 大林 史誠、伊藤 奈七子、檜垣 美雷、濱田 充子、 山崎 佐知子、浜名 智昭、吉岡 幸男、谷 亮治、柳本 惣市
  • 学会等名: 第41回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
• [学会発表] 早期舌癌 T1-2Ｎ0 症例における予後予測因子の検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大林 史誠、小泉 浩一、檜垣 美雷、伊藤 奈七子、濱田 充子、山崎 佐知子、浜名 智昭、 吉岡 幸男、谷 亮治、柳本 惣市
  • 学会等名: 第41回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌手術症例の局所再発に関与する解剖学的構造について (2022)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 奈七子、小泉 浩一、大林 史誠、烏帽子田 夏希、松山 たまも、岡本 健人、 田口 有紀、檜垣 美雷、濱田 充子、山崎 佐知子、浜名 智昭、吉岡 幸男、谷 亮治、 柳本 惣市
  • 学会等名: 第41回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会