研究課題/領域番号 |
18K09725
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
檀上 敦 佐賀大学, 医学部, 准教授 (80452712)
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研究分担者 |
山下 佳雄 佐賀大学, 医学部, 教授 (50322300)
下平 大治 佐賀大学, 医学部, 助教 (70594844) [辞退]
森 啓輔 佐賀大学, 医学部, 助教 (60774114)
合島 怜央奈 佐賀大学, 医学部, 助教 (30756143)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 骨浸潤 / スタチン / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨代謝 |
研究実績の概要 |
スタチンはHMG-CoA還元酵素の働きを阻害することによって血中のコレステロール値を低下させる薬物である。脂質異常症の患者において冠動脈疾患や脳血管障害の発症リスクを低下させる効果があるとされており、男女問わず多くの患者が服用している薬剤である。 近年、スタチンを内服した癌患者は、癌の死亡リスクが低いという研究結果が報告された。しかしながら、癌腫によっては効果がないという報告もあり、これまでに口腔癌とスタチンとの関連を分析した研究はほとんどみられず、in vitroでの腫瘍抑制効果と遠隔転移の抑制効果の可能性を示唆した2報だけである。 スタチンはBMP-2の合成を促進させることで骨芽細胞を活性化し、RANKLとOPGの発現を調節することで破骨細胞の活性を抑制する、すなわち骨形成を促進させる効果があることが報告されている薬剤でもある。スタチン系薬剤の骨吸収抑制効果は骨粗鬆症に対して用いられるビスフォスフォネート系薬剤とメバロン酸経路を阻害するという点で薬理作用が類似しているが、ビスフォスフォネート系薬剤と異なり、骨基質に選択的に移行する性質がないため、局所投与することで骨への効果が発揮できると報告されている。 周知の通り、日常臨床で口腔扁平上皮癌の治療において、特に顎骨浸潤を伴う局所進行癌の治療に難渋することは多い。そこで本研究では、口腔扁平上皮癌の発育・浸潤、特に顎骨浸潤においてスタチン系薬剤がどのように影響を与えるのかを解析することを目的とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitroでのスタチンが口腔癌細胞を抑制することは確認でき、マウス咬筋へ扁平上皮癌細胞を注射することで腫瘍浸潤モデルを作製することまでは達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はスタチンの腫瘍抑制効果を判定するためにin vivoでのスタチン投与効果を分析する予定である。具体的には、スタチンの濃度、投与時期等を検討予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大に伴う動物実験施設の一時閉鎖に伴う実験遅延による。令和3年度は令和2年度に実施予定であった動物実験を継続する予定である。
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