研究課題
基盤研究(C)
小児期において放射線治療が行われると副次的に歯根の短縮が生じると報告されているが、そのメカニズムの解明までには至っていない。歯根形成障害を引き起こすメカニズムを解明するため、マウス歯胚局所照射実験装置を使用して、マウス歯根の形態変化、根尖部並びにヘルトヴィッヒ上皮鞘(HERS)を中心とした組織学的変化の観察を行ったところ、根尖部の象牙質形成に異常がみられ、根尖部に位置していたHERSの動態異常が観察され、サイトケラチン陽性細胞の消失がみられた。サイトケラチン陽性細胞の消失は、HERSの間葉化(EMT)などが考えられ、今後、消失の原因を明らかにするためにさらなる解析を行っていく。
解剖学
小児期において放射線治療が行われると副次的に歯根の短縮が生じると報告されている。放射線が歯の歯根発生に影響を与えることが考えられるが、そのメカニズムの解明までには至っていない。本研究は独自に開発したマウス歯胚局所照射装置を用い、放射線を歯胚に直接照射し、歯根形成への影響を解析した。本研究は、放射線照射により引き起こされる歯根形成阻害の予防法開発の一助となると思われる。