研究課題/領域番号 |
18K09735
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
平田 あずみ 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40263587)
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研究分担者 |
高野 和文 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40346185)
田中 俊一 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70591387)
野村 良太 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90437385)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コラーゲン結合タンパク質 / Streptococcus mutans / 機能解析 / 構造解析 / 組織内局在 |
研究実績の概要 |
Streptococcus mutansが産生するコラーゲン結合タンパク質Cbmは、S. mutansの4つの血清型のうちわずか5%を占めるk型S. mutansが菌体表層に発現するタンパク質である。Cbmとコラーゲンとの結合に直接関わるコラーゲン結合ドメイン (CBD)は、構造的に類似したN1、N2それらをつなぐLinkerとC末端のLatchからなり、これまでに作製したCbm_CBDの各領域変異体を用いたコラーゲン結合活性測定と熱変性測定により、Cbm_CBDのコラーゲン結合や構造安定性における各領域の役割を明らかにしてきた。これらの結果より、Cbm_CBDの4つの領域における役割を、N1:コラーゲンとの結合に寄与する、Linker :N1、N2を補助しコラーゲン結合を支持する、N2:構造安定性、コラーゲンとの結合において中心的役割を担う、Latch:N2を補助し、N2と相互作用することでコラーゲン結合を支持する、と予想している。本年は、Cbm_CBDの各領域のこのような機能と構造の相関を明らかにするために、前年に引き続き、これまでに作製したCbm_CBDの各領域変異体の結晶化を継続実施した。また、S. mutansが病原因子となるにはCbm_CBDの各領域のこのような機能と構造の相関が与ると考察するとともに、その検証を進めた。具体的な方法としては、マウス組織を用いた組織学的検討を行うため、CbmをGFPにより蛍光標識した変異体タンパク質GFP_Cbmを作製し、これを用いることで生体内でのCbm局在を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①Cbmの生体内での局在を観察するためのツールとして、CbmをGFPにより蛍光標識した変異体タンパク質GFP_Cbmを作製した。 ②マウス下顎組織切片を作製し、GFP_Cbmを反応させたところ、コラーゲンと結合するCbm局在が観察された。 ③WTおよび19変異体タンパク質の結晶獲得には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
①結晶化条件の見直しを行い、WTおよび19変異体タンパク質の結晶化を継続する。 ②GFP_Cbmを用いてマウス各種組織におけるCbmの局在を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)本年度は、GFP_Cbmの作製を順調に行うことができ、予想よりも試薬等の購入の必要性が低かったことによる。 (使用計画)次年度は、継続する結晶化用の試薬購入および生体組織採取のためのマウス購入の経費として充当する予定である。
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